稲田朋美防衛相“スーツの色で評価してほしくない” その「服装」「失態・失言」問題

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■失態・失言問題

 そして、稲田氏が火種となってきたもうひとつの要因は失態・失言問題である。

 彼女の「信念」だったはずである終戦の日の靖国神社参拝を、昨年は海外で活動する自衛隊の視察を理由に見送った。これを、「言行不一致だ」と野党議員に迫られると、国会内で急に泣き出したことはご記憶の方も多いであろう。

 また、「防衛費」を「軍事費」、「中国漁船」を「中国公船」と言い間違えたこともある。

 さらに、本誌(「週刊新潮」)が一昨年に、稲田氏が過去に地元で有権者に「ともみの酒」と称した日本酒を配っていた疑惑を報じ、続けてこの記事に対する、ともに弁護士の稲田夫妻の対応について記事にすると、夫の龍示氏を原告として本誌を提訴。しかし、1審、2審ともに龍示氏側が敗訴していることは、新聞でも報じられた。ところが昨年11月、今度は朋美氏が原告となって本誌を訴えてきたのだ。

「弁護士事務所が大阪にあるため、大阪地裁に提訴したそうですが、大臣自ら大阪に行って出廷することになると、有事の際の対応がどうなるのか気掛かりです」(防衛省関係者)

■来年こそ…

 元航空自衛官で軍事ジャーナリストの潮匡人氏が懸念する。

「折しも北朝鮮がミサイルを発射し、自衛隊はいかに防衛するか頭を働かせている状況です。日報の『発見』が遅れたような今の状況を見ると、防衛大臣が現場で起きている事実をしっかりと理解し、シビリアン・コントロールが効いているのか、不安が募ります」

 先の福山氏はより厳しい。

「日報問題も含め、防衛省に関する事柄の最終的な監督責任者は、言わずもがな防衛大臣です。今回は記録がなくなっただの、見つかっただのといった程度の話ですが、国民の命や国益に関わることだった場合に、どんな対応になっていたのかを想像すると不信感が増すばかり。もっとしっかりとした大臣を任命してほしいというのが、自衛隊OBとしての私の声です」

 しかし、大手紙の防衛省担当記者はこう耳打ちする。

「1月17日に稲田さんと番記者の懇親会が開かれたんですが、彼女は翌日に習志野演習場(千葉県)で行われる自衛隊のパラシュート降下訓練に参加できないことを指して、『来年こそ飛び降りたい!』と言っていた。この人、来年まで大臣をやるつもりなんですね……」

 パラシュートうんぬん以前に、大臣の座から飛び降りるのが先決ではなかろうか。

特集「安倍内閣を弱らせる『網タイツの一穴』国会で涙 国会外で被害者意識 『稲田朋美』防衛相が気持ち悪い」より

週刊新潮 2017年3月2日号掲載

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