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「まだ人を殺したい」タリウム女子大生は懲役何年か

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週刊新潮 2017年5月4・11ゴールデンウィーク特大号 
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 簡単にまとめたポニーテールに、なで肩の少しぽっちゃりした姿は、どこから見ても普通の女の子である。だが、証言台の彼女から出てくる言葉は鬼畜そのものだ。「まだ人を殺したい……」。殺人事件や劇薬タリウムを使った殺人未遂事件などで裁かれる元名古屋大生・大内万里亜(21)を待ち受ける「量刑」とは――。

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元名古屋大生・大内万里亜のツイッター

 2月2日、傍聴人や裁判員が見守るなか、大内被告が名古屋地裁の法廷に姿を現した。すでに報じられているように、彼女は2014年12月、名古屋市の自宅アパートで森外茂子(ともこ)さん(77)=当時=を斧などで殺害、また、ジュースに硫酸タリウムを混ぜて高校の同級生2人を殺害しようとした事件など7つの罪に問われている。

 裁判を傍聴してきた司法担当記者が言う。

「法廷は被害者の証言など、いよいよ佳境に入ります。大内はいつもマスクをして表情が分からないのですが、受け答えがはっきりしており黙りこくったりしない。やや甲高い声で“そうですねえ……”と前置きしながら答える様は、何かの面接に見えてしまうほどです」

 が、彼女の口をついて出てくる証言は耳を塞ぎたくなるほど禍々(まがまが)しい。1月19日に開かれた第2回公判では、いきなり手斧で襲われた森さんが、

「殺すつもりなの? どうして!?」

 と必死で問うのに対し、

「人を殺してみたかった……」

 と冷酷に告げて犯行に及んだことも明らかに。さらに、

「まだ、やはり人を殺したいという考えが浮かんできます」

 と淡々と述べるシーンも飛び出した。

 それだけではない。法廷が緊張したのは、新たな殺人計画を明らかにした時だった。

■標的は2人の友人

 司法記者が続ける。

「他にも殺してみたかった相手はいるかと聞かれた大内は、友人2人の実名をあげたのです。1人はピアノサークルの男性で、“家でピアノを弾いている隙に撲殺できる”と証言。もう1人は理学部の女友達で、大内の家に泊まりに来ていたことから“寝ている間に絞殺できる”と話したのです」

 だが、こうした露悪的な証言が飛び出すのは、「法廷戦術」とも見られている。

「弁護団の戦略は、大内がなるべく心情を隠さず話すことで、精神病患者の印象を裁判員に持ってもらうというものです。すでに彼女が発達障害や双極性障害であると主張しており、弁護人が裁判員に向かって“こんな動機で人を殺すなんて理解できますか?”と話しかける場面もある。狙いは逆転無罪です」(別の司法記者)

 元東京地検特捜部副部長の若狭勝氏も言う。

「もし、私が弁護人になっても同じことを考えると思います。『殺意はなかった』、『殺意はあったが責任能力はなかった』、『いずれにせよ無罪である』という論法です。“まだ人を殺したい”という証言は情状酌量にマイナスですが、挑発的な発言を続けると、裁判員が精神疾患と見るかも知れません」

 もちろん、彼女が責任能力なしと認められる可能性は低い。で、その量刑はというと、

「殺したのは1人ですから死刑になることはない。いちばん重くて無期懲役でしょう」(同)

 無期囚の平均在所年数は約32年。仮釈放の日に「まだ人を殺したい」と思っていない保証はない。

ワイド特集「女という商売」より

  • 週刊新潮
  • 2017年2月16日梅見月増大号 掲載
  • ※この記事の内容は掲載当時のものです

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