松方弘樹に添い遂げた山本万里子 貫いた愛人道

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“血がドロドロだから”

 離婚後に松方は万里子を伴って東京で借家暮らしを始めていた。

「“水道の水が出ない”“お金が入らないんです”と万里子ちゃんがこぼしていたこともありました」(高田氏)

 Vシネマとパチンコ営業の日々で、Vシネのギャラは1本200万円前後。数で稼ぐべく1週間で1本を撮り終えるなんてことも。

「“血がドロドロだから”と、松方に一滴も酒を飲ませなかった。でも彼女がいないときはワインボトルを空けていましたが」(同)

 そんな折、万里子はポツポツと打ち明け話を始める。

「“この人、何をやっても同じなんです”と。彼女の目から流れた涙をぬぐってやった松方も深刻そのもの。万里子ちゃんは、『俳優・松方弘樹』の一番のファンだからこそ、新しい役どころでもうひと花咲かせてほしいと思っていたはず」(同)

 それも虚しく、昨年2月に脳リンパ腫で入院。脳梗塞を3度発症し、言葉も身体も不自由になっていた。「娘を顧みないヒモの父親役で汚れてみたい」という晩年の希望は果たされることがなかった。

「子供が18歳になる03年まで、月に30万円の養育費をくださった。松方さんも苦しいときがあったでしょうが、一度も欠かさずに」

 と、松方とのあいだに子をもうけた歌手・千葉マリア(67)。そして密葬だったことに触れて、

「あれだけモテた松方さんです。普通に葬儀をしていたら、知らない女性たちが棺に泣きついたかもしれず、それを彼女は嫌がったのでしょうか。いずれにせよ彼女に看取って頂けたのだから、本人はすごく幸せな人生だったと思いますよ」

 愛を勝ち取ったあとの、ささやかな抵抗と見るのだ。

週刊新潮 2017年2月16日号掲載

ワイド特集「女という商売」より

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