早くも始まった経団連“ポスト榊原”レース 本命は

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 経団連の次期会長人事が本格的に動き始めている。2020年に東京五輪を控えていることもあり、財界からは“日本を代表する企業のトップを”との声も少なくない。経団連会長の任期は2期4年。榊原定征会長(73)の任期は2018年6月までだが、年内にも後任会長を内定させたい考えだという。

 榊原会長の後任は16人いる副会長のなかから選任されるが、メーカーの“トップ経験者”という暗黙のルールがある。全国紙の経済部デスクの解説では、

「混乱を避けるため、経団連の会長人事は、現職が退任する1年前から動き出すのが慣例。榊原さんは、歴代会長や財界の重鎮などと膝を突き合わせている最中でしょう」

 目下、トヨタ自動車の豊田章男社長や、三菱重工の宮永俊一社長などの名前が挙がっている。だが、次の本命と囁かれているのは、日立製作所の中西宏明(ひろあき)会長(70)だ。確かに、日立は日本を代表する企業。しかし、中西会長を知る人はそれほど多くはないはずだが、

「財界で中西さんを知らない人はいません。東大工学部卒の元技術者で、北米総代表を務めたほど語学も堪能。ですが、社長レースに生き残れず、1度は子会社へ飛ばされています」(同)

 社長の芽が消えたかに思えた中西会長に、復活の転機が訪れたのは09年のことだった。当時、日立は過去最悪の最終赤字7873億円を抱え込み、倒産の危機に直面したのだ。日立製作所の関係者によれば、

「当時社長に就任したのは、中西さんと同じく子会社に追いやられていた川村隆さんでした。川村さんは、中西さんの能力を高く評価して二人三脚で大胆な合理化を推進。その改革が実を結び、14年には過去最高の営業利益5328億円を達成しています」

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