無法地帯と化した沖縄 反対派が“森林伐採”で基地へ侵入、職員をペンチで殴打

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 沖縄県北部の東村(ひがしそん)と国頭村(くにがみそん)にまたがる米軍北部訓練場。機動隊員がヘリパッド反対派に「土人」と発言したことが盛んに報じられたが、現地を訪れて見えてくるのは、反対派によって“無法地帯”と化している実態である。

「『反対派』はまるで“民兵”のように、現地を支配していました。工事関連車両や警察、防衛省の関係車両はもちろん、地元住民や観光客の車両の『通行妨害』も行い、あげく『私的検問』まで行っていたのです」

 と明かすのは、『沖縄の不都合な真実』の共著者で評論家の篠原章氏。この私的検問をめぐっては、通行妨害に憤る地元住民と反対派が揉み合いになる騒動も起きていた。

 結局、こうした村民とのトラブルが相次ぎ、さすがの「反対派」も、9月の末で「検問」は打ち止めにした。表向き、現場の混乱は落ち着いてきたかに見える。

■不法に森を伐採

反対派はなぜ不法行為をしても捕まらないのか

 ところが、

「裏ではもっと深刻な事態が進んでいます。その次に彼らが始めたのは基地内への侵入でした」

 と言うのは、さる防衛省関係者である。

 北部訓練場は、全体で約7800ヘクタールの広大な土地。しかも、ほとんどが山林であるから、すべてをフェンスなどで遮断することは不可能。言い換えれば、どこからでも入ることが可能なのだ。

「彼らは10~20人で徒党を組み、鎌やノコギリを持って、草や藪、細かい木などを切って、道を作りながら侵入してくる。そして、重機を見つけると上に乗っかるなどして、工事が出来ないようにする。ゲリラの真似事をしているのです。それを機動隊が見つけて外へ出しても、翌日またやってくるというイタチゴッコが続いています。彼ら『反対派』がヘリパッド建設に抗議する理由のひとつに“豊かな森を守れ!”がある。しかし、その当事者が不法に森の木々を伐採しているのだから、自己矛盾もいいところなのですが……」(同)

■有刺鉄線を切断、頭をペンチで殴打

 本来ならば、不法侵入した時点で、米軍基地への不法行為を犯した人物に対して適用される「刑特法」に抵触する。これは一義的には、米軍警察(MP)が被疑者を拘束すると定められている。しかし、米軍は取締りに消極的。一方の機動隊も規定があるため、基地内での逮捕には及び腰だ。そもそも、基地の内外にかかわらず、「逮捕」によって反対派を勢いづかせたくないというのが、警察の本音。そうした事情に付け込んで、「反対派」は不法な侵入を「捕まるまい」と、「確信犯」的に繰り返しているというワケなのだ。

「ところが先日、悪質な事案が続けてありまして」

 と防衛省関係者が続ける。

「9月24日、メンバーの1人が基地内に侵入し、警告した防衛省の職員の胸を押して転倒させ、後頭部に打撲を負わせて逮捕されました。また、10月17日には、反対派のリーダー・山城博治が、やはり基地内に入り込み、有刺鉄線を切って逮捕されていますが、この際、阻止しようとした沖縄防衛局の職員の頭をペンチで殴っている。しかも、凶器を仲間に渡し、隠蔽工作を図った節すらあるのです」

 幸い職員は、ヘルメットに頭を守られ、事なきを得た。しかし、日々機動隊員や防衛省の職員が、こうした危険と向き合っているということはよく知っておいた方が良い“事実”である。

特集「なぜ『土人』発言だけが報道されるのか? 沖縄ヘリパッド『反対派』の『無法地帯』現場レポート」より

週刊新潮 2016年11月3日号掲載

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