豊洲の移転延期で「オリンピック道路」建設も大打撃

社会週刊新潮 2016年9月29日号掲載

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築地市場

 騒乱の収束が見えない豊洲移転問題。この煽りをもろに受け、大打撃を蒙りそうなのが、2020年の東京五輪に欠かせない環状2号線、いわゆる「オリンピック道路」の建設工事だ。

「環状2号線は、最後の総仕上げとして築地跡地から晴海の選手村に至る部分を開通させる必要がある」

 とは、都の建設局幹部。

「築地の跡地部分は地下にトンネルを掘ることになり、市場が移転しないと工事に着手できない。予定通り11月に移転しても、完成は五輪の数カ月前と言われていました。延長期間が延びれば延びるほど、深刻な事態に陥っていく」

 ある建設コンサルタントが声を潜める。

「市場の建物は、天井部分の15%にアスベストが使用されている。この除去に手こずり、解体は予定より遅れると見られてきた。しかもさらなる難敵が立ちはだかります。築地の地下には夥しい数のネズミが生息している。解体工事を始めると、これが地下鉄の築地駅や国立がん研究センター方面に逃げ始めます。ネズミの大移動パニックが発生するのは必至で、工事前にこの対策にも乗り出さなければなりません」

 全国の欠陥住宅や建築物の第三者鑑定機関であるNPO邦人「建築Gメンの会」副理事長で、一級建築士の田岡照良氏も悲観的だ。

「道路工事はコンクリートや高架など色んなものをセッティングするため、準備に時間がかかる。作業員や重機を増やしても、数カ月単位の工期短縮は不可能です」

 交通ジャーナリストの清水草一氏はこう提案する。

「そもそも都は今年12月に、地上で築地市場の南側の道路と、すでに完成している環状2号線を結ぶだけの暫定道路を開通させる予定でした。この狭い暫定道路を2車線にするなど、より良く整備すれば、五輪の輸送路に活用できます」

 致し方ないとは言え、泥縄との謗りは免れまい。

「特集 地下に溜まった怪しい強アルカリ水! ピラミッドより謎多き豊洲の巨大建造物! 意味不明が多すぎる『豊洲のパンドラ』20の疑問」より