福原愛を待ち受ける台湾的“嫁姑問題” 強い出産プレッシャー

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 まさに「祝福ムード」一色である。茶の間のアイドルとなって二十余年の福原愛(27)の結婚だから、それもそのはずだが、一方で国際結婚の難しさは推して知るべし。夫の国・台湾との「嫁姑観」の差異が影を落とす、なんて声もあるのだ。

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“署長”の結婚話は御法度

 日刊スポーツが福原の結婚を“抜いた”のは、9月8日のこと。「元カレ」の錦織圭がその直後、全米オープンでベスト4に進出したのは何とも皮肉な話であるけれど、それはともかく、福原サイドはこの報道によほど困惑したようだ。スポーツ紙の記者によれば、

「開催中のパラリンピックに水を差したくないという理由で表立ったコメントはなし。愛ちゃんは、10日、新宿署の一日署長としてイベントに出たのですが、この際も署から“結婚については聞くな”というお達しがあり、その後、取材自体がNGとなりました。当日も指輪を付けていなかったですし、お祝いしたいのに肩透かしを食った気分ですね」

 夫の卓球台湾代表・江宏傑(ジャンホンジェ)選手共々、2人は国籍を変えず現役を続行し、別居生活を送る見通し。しかし、夫君は既に台湾に新居のマンションを購入したというから、引退後、福原は海を渡って暮らすと思われる。

■毎週末の食事

 距離の近い両国とは言え、自ずと文化的差異はある。2人の場合、何が問題となりうるのだろうか。

「大変なのは、義父母との付き合い方でしょう」

 と言うのは、台湾の法律事務所勤務で、現地事情に詳しい佐田友(さだとも)浩樹弁護士である。

「知人の日本人のお嫁さんは、毎週末、義父母と食事をしなくてはならず、夫婦の予定が制約されてしまう、と嘆いていました」

 金は出すけど口も出す。よくも悪くもそうした傾向の義父母が多いのだという。

 台湾在住20年のフリーライター・片倉佳史氏も同様の感想を漏らす。

「台湾はものすごく家族主義の強い国なんです。私も台湾人の友人を食事に誘った際、“家族で食事に行かないと”と断られることがよくある。愛ちゃんもそういう付き合いを求められるでしょう。また、『男尊女卑』の空気も色濃く残り、台湾で家族で一番偉いのは誰?と聞くと、お父さん。2番目は『お母さん』ではなく、『長男』です。だから母親は男の子を溺愛する。そのため、嫁姑の間で喧嘩が起きた時、たいていの夫は母親の肩を持ちます」

 また、

「義理の両親がお嫁さんにかける出産プレッシャーは日本とは比較にならないほど強い。一昔前までは“子どもを産まなかったら女の意味はない”とはっきり向こうの親に言われていましたし、酷い例では、20~30年前の世代では、子どもが出来ない場合、夫の親が他の女の人を連れてきたなんてこともありました」(同)

 日本でも都市と地方でこの手のギャップが生まれることはままあるが、日台間も中華圏との距離に伴って、似たようなギャップが生じるということなのだ。

「愛ちゃんは協会から将来、指導者の道を歩んでいくことを期待されています。そうなれば、台湾と日本を頻繁に往復することになる」(前出・記者)

 一方で、姑との付き合いも欠かせない。

 多忙な日々は続きそうだが、「本人も承知の上」(同)で、これもまた幸福のひとつの形ということか。

「ワイド特集 何者!! 何様!!」より

週刊新潮 2016年9月22日菊咲月増大号掲載

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