ベッキー出演の『モニタリング』制作会社が脱税で起訴された

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 サブタイトルが“ニンゲン観察バラエティ”と聞けば、なるほど、納得である。TBSの看板バラエティ番組『モニタリング』は、確かにニンゲンの欲望の舞台裏まで観察させてくれる。何しろ、ベッキーが不倫騒動で番組の司会を降板したのに続き、今度は制作会社の社長が脱税事件で渦中の人に。そんな社長をモニタリングしてみれば――。

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 ドッキリを仕掛けられた芸能人やシロウトの素のリアクションを、隠しカメラで覗き見するのが、この番組のスタイルなのだが、

「さすがにマルサの強制調査を受けるなんて思いもしませんでしたよ……」

 と、今回のドッキリ、もとい“事件”にはTBSの制作スタッフもリアクションに窮しているのだ。

 東京国税局は昨年12月、『モニタリング』を手掛ける制作会社“HI-STANDARD”に強制調査に入り、その後、立浪仁志社長(45)を法人税法違反で告発。今月6日に東京地検特捜部が在宅起訴する事態となった。

「うちと付き合いのある制作会社にマルサが入ること自体、前代未聞です。しかも、立浪さんはいつも“カネがない”と漏らし、TBSから予算を削られたと言っては、フリーのディレクターのギャラを1万円単位でカットしていた。それなのに、自分だけ億単位のカネを貯め込んでいたわけで、周囲は怒り心頭です」(同)

 立浪社長は、フリーのディレクター数人に預金口座を作らせ、そこに水増しした制作費を振り込む手口で約2億7900万円の所得を隠していた。預金口座は立浪社長が“隠し金庫”として管理しており、約7100万円の脱税疑惑が持たれているのだ。

■立浪教の信者

 立浪社長に質すと、

「私の税知識の欠如で多大なご迷惑をおかけし、深く反省しております」

 と回答したが、別のTBS関係者が明かすには、

「彼のやり口は悪質で、脱税目的なのは明らかです。『モニタリング』では1回の放送で2000万円近い制作費が彼の会社に支払われます。制作会社の手元に残るのは一般的に制作費の1割程度ですが、立浪さんは4割近くを懐に入れていました。多弁ではないものの、彼にはカリスマ性があってTBSの制作幹部にも信奉者が多い。また、“立浪教の信者”と呼ばれる子飼いのフリーディレクターたちを抱えていて、彼らはどんなに安いギャラでも仕事を引き受けます。脱税のための口座開設くらい平気でやりますよ」

 立浪社長が立ち上げ段階から携わった『モニタリング』は4年前に深夜枠からスタートした。その後、ゴールデンタイムに昇格すると、ベッキーを司会に据えた番組は大当たりし、昨年10月、2時間のレギュラー枠へと異例の出世を果たす。

「今も2ケタの高視聴率を叩き出すTBSの“ドル箱”で、立浪さんが番組作りにおけるセンスやノウハウで一目置かれているのも事実。ただ、他の制作会社がコスト削減に喘ぐなか、立浪さんはアルマーニのジャケットにオメガの腕時計をつけて、ポルシェのカイエンを乗り回していた。立場の弱いディレクターからギャラを搾取して成金生活を送っていたんです」(同)

 その銭ゲバぶりを示すエピソードは他にもある。

「彼は最低預金額が約1億円もするスイスのプライベートバンクに口座を保有しているそうです。日本より金利がいいし、税務署の調査も及ばないと考えたのでしょう。マルサもスイスの預金口座の中身までは把握できていないと思います」(同)

 TBSがモニタリングすべきは出演者や制作スタッフの行状の方だった。

「ワイド特集 風薫る日に綱渡り」より

週刊新潮 2016年5月19日菖蒲月増大号掲載

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