風間トオルがカマキリとアサガオを食べて暮らした赤貧時代

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 人の不幸は蜜の味。「貧乏話」がバラエティの定番となって久しいけれど、今、その売れっ子は、俳優の風間トオル(53)だとか。幼き赤貧時代、「カマキリとアサガオを食べて暮らした」と驚愕の逸話を披露して大モテというのだ。

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 風間は、「メンズノンノ」のモデルとしてデビューし、1990年代前半、数々のトレンディドラマに出演した俳優であるが、この3月20日、『ビンボー魂』なる書籍を出版した。

「彼が子ども時代の貧乏話を公にするようになったのは、6年前が初めてでした」

 と、スポーツ紙の芸能デスクが言う。

「芸人ならまだしも、男前でプライドが高そうな風間でしたからみな驚き、バラエティで引っ張りだことなりました。披露するエピソードがすさまじく、ある番組では“キングオブ貧乏”と名付けられたほどです」

 その新刊によれば、転落の始まりは彼が5歳の時。母が外に男を作って出奔し、ほどなく父も行方をくらませてしまったのだという。

 やむなく祖父母に引き取られた風間は、それからバイトを始める高1までの間、

〈祖父母の年金だけが頼り〉

 の生活を送ったそうだ。

■ドラマ化したら?

 一家が住んだのは、川崎市内のアパート。しかし、

〈浴室はなく、洗濯機をお風呂がわりにしていたのです〉

 服を着たまま洗濯槽に入りスイッチを押す。すると、

〈服や洗濯物と一緒に体も洗えるので一石二鳥〉

 これでよく事故が起きなかったものである。もちろん暖を取る術もないため、

〈コンクリート壁で石をこする。大きな摩擦熱が生まれます。熱くなった小石を握れば軽く暖をとることができるし、ポケットに入れればカイロの役割を果たしてくれるのです〉

 風間は1962年生まれだから、これ、高度経済成長期の日本の話である。

 切り傷はツバで治し、虫歯はペンチで抜く。中でも苦労したのは食事で、夕食が出ない日も多かったため、育ちざかりの彼は、空腹に耐えきれない。そんな時は、

〈公園の花や雑草を食べて飢えを凌ぐようになりました。舌が痺れる草や、苦くて無理な草もありましたが、朝露に濡れた紫のアサガオは、ほんのりと甘いのです〉

 そして、

〈カマキリの足を、腹部の柔らかい部分は口にせず、固い脚の部分から、トゲトゲに十分な注意を払いながらかじってみました。とても堅くて苦いです〉 

 とバランスよく動物性たんぱく質を摂取する“工夫”も見せていたというのだ。

 この手の逸話がまだまだ続くが、全てホントだとしたら凄絶の一言。

 仕事で多忙のご本人に代わってマネージャーは、

「多少盛っているところはあるかもしれませんが、嘘はないですよ。本の評判も良く、学校の指定図書にしてほしいという感想もありました。周りでは“ドラマ化したら?”なんて話も出ていて、そうなったら、本人も出たいでしょうね」

 その風間は、

「渋谷の高級マンション暮らしですが、普段からブランド物などは身に着けず、服装もあまり気にしない。何だか昔のトラウマを感じさせますね」(テレビ局関係者)

 かくして新境地を開いた元トレンディ俳優。人間、何が福となるのかわからないものである。

「ワイド特集 櫻の樹の下には」より

週刊新潮 2016年4月14日号掲載

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