今回は大丈夫? STAP論文共著者の若山教授が“尿”からクローン新技術

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 オシッコからクローンを作りだす。まさかと思うようなことが実現可能に――。

 4月1日、山梨大学の研究チームが、英国科学雑誌「ネイチャー」の姉妹誌「サイエンティフィック・リポーツ」(電子版)に発表した。マウスの尿から採取した細胞の核を、別のマウスの卵子に移植し、クローン胚を作製。代理母マウスの卵管に移したところ、1~3%の確率で、クローンマウスが誕生したというのだ。

「僕らは2年以上前から研究を行っていましたが、去年、海外の研究チームが、尿から牛のクローンを作ったという報告がされました。それで僕らはちょっとショックを受けたのですが……」

 と言うのは、研究チームを率いた若山照彦教授(49)。STAP騒動で、小保方晴子女史(32)と研究をしていた、あの方である。

若山照彦教授

「ただ、その実験は、無菌状態でオシッコを回収したもの。牛なので尿も大量だったはず。さらに、質の良い細胞を選び、実験室の中で培養して増やしてもいる。それだと、当たり前のようにクローンは作れます」

 絶滅危惧種をクローン技術によって救うことが、研究の動機である若山教授らにとって、海外チームの成果は現実的とは言えないものだったという。

「今後は、時間の経った尿に含まれる細胞が使えるかどうか、そんな研究をしていこうと考えています」

 是非、成果に期待したいものだ。とはいえ、どうしても、騒動のことが頭をよぎる。今回は大丈夫なのか。

「そこは、すべて不正なく今までもやってきていますから、信じてもらう以外、ありません。信頼回復のためにも、研究成果を出し続けるしかないです」

 そして、つい先日、立ち上げられた小保方さんのホームページや、手記については、こう続けた。

「調査委員会が発表したことがすべてですから、僕の方でコメントする必要はないと思っています。とにかく、一切関わりを持たないようにしております」

 名誉挽回となるか。

週刊新潮 2016年4月14日号掲載

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