今年も来日! 92歳独裁者「ムガベ大統領」の宮中午餐会

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 もはや公式には計算不能なまでのハイパーインフレを記録し続けた、アフリカ・ジンバブエのムガベ大統領が3月27日、日本政府の招待で夫人と共に来日する。昨年に続き5回目だ。

アフリカ・ジンバブエのムガベ大統領(写真・ゼータイメージ)

「今回の招待について、菅官房長官は会見で“今年8月にケニアで開催されるアフリカ開発会議の成功へ向けた協力を含め、協力関係が一層深まることが期待される”と、意義を強調しています」(政治部記者)

 御年92歳の大統領はイギリスからの独立後、36年に亘って強権をほしいままにし、世界の独裁者ランキング2位に擬せられるほどの存在。当然のごとく欧米諸国が距離を置く中、

「2014年に中国を訪問して熱烈な歓迎の中、友好関係を深めるや、昨年12月の習近平国家主席のジンバブエ訪問後、約48億円の負債帳消しと引き換えに、人民元を法定通貨のひとつとして使用することを決定したりと、近年は中国にかなり傾斜しています」(同)

 それでも今回の訪日では、わずか5日間ながら、安倍総理主催の夕食会どころか、天皇皇后両陛下との会見や宮中午餐会まで日程に組み込まれるなど、下にも置かぬ丁重な扱い。政府はなぜ、ここまでムガベ大統領にご執心なのか?

「日本は国連の安保理改革で、常任理事国になることを目指しています。そのためには、国連加盟国の約4分の1を占めるアフリカ諸国の支持が必要。そこで政府は、“ジンバブエのムガベ”ではなく、各国首脳の中でも最長老で、AU(アフリカ連合)の議長も務めて影響力の大きい“アフリカのムガベ”を重要視しているのです」(三井物産戦略研究所中東・アフリカ室主席研究員の白戸圭一氏)

“与えよ、さらば与えられん”とは言うけれど――。

週刊新潮 2016年3月31日号掲載

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