名古屋グランパス復活の鍵は「暴君」と「ビッチ」

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 名古屋グランパスの“グランパス”は、英語で鯱(しゃち)の意。今季のグランパスはまるで名古屋城の如く、2頭の鯱(しゃちほこ)が頂から睨みを利かす。

 まず1頭はスウェーデン産である。新加入外国人FWのシモビッチ(24)だ。

 サッカーライターが語る。

「彼はクロアチア系スウェーデン人。名古屋は、日本人と旧ユーゴスラビア人とのハーフの敏腕代理人と関係が深い。おかげで、ストイコビッチをはじめ、名前に“ビッチ”が付く旧ユーゴ系選手が多いんです」

 身長199センチは、鯱同様眺め良し。しかも跳躍力が抜群なのだとか。リーグ開幕の2月27日、つまり来日初公式戦となるジュビロ磐田戦では、挨拶代わりに強烈なジャンピングヘディングシュートを決めて、チームは1―0で勝利。小倉隆史新監督に初白星をプレゼントした。

 さて、もう1頭の鯱はその小倉新監督(42)である。1992年から7年間グランパスでプレーし、日本代表にも選出された名FWは、ピッチ上のトップから、ピッチ外のトップとしてチームを統率する。

「しかも、GM権限を持ついわゆる“全権監督”。つまり、選手の獲得や解雇も思いのままです。最初に手掛けたのは、誰に対しても臆せずにモノを言うタイプの田中マルクス闘莉王(34)の解雇でした」

 実績は言うに及ばず、チームの大黒柱的存在で、実際に主将だった闘莉王をばっさり切った。その暴君ぶりに、選手たちは一様に震え上がったのだとか。

「14日に行われたプレシーズンマッチのガンバ大阪戦では、3失点と守備がボロボロでしたが、それが一転して引き締まったのも、“恐怖政治”の所産では?」

 鯱の神通力に注目。

週刊新潮 2016年3月10日号掲載

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