目の前の有名芸能人にも気づかない? 「電車でスマホ」で見落としてしまうこととは

社会2016年3月3日掲載

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 電車に乗ったら、とりあえずスマホを取り出していじりはじめる……そんな癖がついている方も多い事でしょう。新聞を広げるよりもラクですし、ゲームもできるのですから暇つぶしにはうってつけです。

 しかし、それがちょっと気になる、と語るのは伊藤洋一さん。『ラウンドアップワールドナウ』のメイン・パーソナリティで、常に最新の情報機器を駆使して情報を入手している伊藤さんは、スマホのヘビーユーザー。でも、だからこそ注意していることもあるそうです。伊藤さんが自らの情報処理術を書いた新著『情報の強者』から引用してみましょう。

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 ほんの数年で、スマホは驚異的なペースで普及した。

 電車に乗っても、一つの車両の中で誰もスマホをいじっていない光景を目にすることはないのではないか。目の前の列の全員がスマホを手にしていることも珍しくない。

 一昔前ならば、新聞や文庫本を手にする人がもっといたと思うのだが、明らかにそういう人は減っている。

 私はiPhoneは現時点で完璧に近い情報ツールだと考えている。だから普段も愛用しているし、スマホで情報収集をしている人を否定的に論じられる立場にはいない。

 ただ、それでもちょっと気になるのは、本当にそこまで見続ける必然性があるのだろうか、という点である。

 自身の定めたルール――たとえば通勤中には○○新聞のサイトをチェックする、といったこと――に従って、スマホを見ているのならば問題ない。

 しかし、惰性でいじっていて、「情報を摂取したつもり」になっているだけ、ということはないだろうか。本来、別にニュースをチェックしなくてもいい時間帯にもかかわらず、何となく手持無沙汰で見てしまう。ついついLINEやツイッターを見てしまう。

 多くの場合、それで得た情報は、すでに見たものであったり、どうでもいいものであったりするのではないか。

■芸能人にも気づかない?

 そういえば、先日テレビを見ていたら、ある有名な芸能人が、「最近は問題なく電車に乗れるんですよ」と言っていた。

「皆が下を向いて周囲を見ないので、昔のように気づかれない」と。笑えた。

 芸能人に気付くべきかどうかはさておくにしても、無駄にスマホを相手にしているくらいならば、電車内を観察して情報を得たほうがいいのではないか、という気がする。街の中と同様に、電車内もまた情報の宝庫である。

 若い女性のメイクが変わってきたことで、新しい流行を見てとることもできるだろう。

 赤ちゃんを連れた母親が、いつの頃からか「おんぶひも」の代わりに「だっこひも」を使うようになったことも、観察していれば一目瞭然だ。

 あのひもは「エルゴベビー」といって、若い子育て世代にとっては必需品(しかし、それ以外の世代はまったく知らないもの)だそうだ。

■人間ウォッチングの場

 もちろん、雑誌の中吊り広告などを見ることで、その時、どんなニュースが「売れ線」だと考えられているかがわかる。それだけではなく、車内の中吊りに「自社広告」が多い路線ならば、「この路線は広告が集まりにくいのだな」ということが推察できる。

 さまざまな世代、性別の人を遠慮なく(限度はあるにせよ)観察できる機会はさほど多くないのではないか。そう考えると、「人間ウォッチング」ができる電車もまた、貴重な情報収集の場である。

 繰り返すが、「電車内でスマホを見ること」が貴重な情報収集の時間である、と決めているのならば結構な話である。

 しかし、漫然といじっているのだとすれば、もったいないことをしている可能性があるのではないだろうか。

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 もちろん、伊藤さんも書いているように、自身のルールに従っていじるのは自由ですし、「息抜きのためにゲームの時間にする」というのもまた有効でしょう。そもそもこのニュースだって、スマホでご覧になってくださっている方も多いに違いありません。足を向けて寝られません。

 ただ、『情報の強者』の中で伊藤さんは、「情報のうち、メディアを介して得るのはごく一部に過ぎない。それを忘れないようにするという意味でも、毎日『メディアが運んでこない情報』を取り入れる癖をつけたほうがいいのでは」とアドバイスしています。

デイリー新潮編集部