自作18曲を収めて「浜田宏一」(総理ブレーン)がCDデビュー

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 齢80でCDデビュー。と言っても演歌の類ではない。作曲の才で、である。

 浜田宏一氏といえば、米エール大学名誉教授にして内閣官房参与に任命された、アベノミクスの理論的支柱として知られる経済学者。さる9日、都内で開かれた初のアルバム『平和の鳩』発売を祝う会には、同じく内閣官房参与の元大蔵官僚・本田悦朗氏や日銀副総裁の岩田規久男氏もかけつけ、はからずもインフレターゲット論者の「三羽ガラス」が勢ぞろいする形に。

演奏家と歌い手に満面の笑みで御礼

 プロの演奏家らによってそこでお披露目されたのは、CD収録の全18作品。野口雨情や北原白秋、西條八十の詩にメロディをつけた童謡や合唱曲から、歌曲、バイオリン曲まで、なかなかの幅の広さである。

 かくて作曲家として世に出るきっかけは、音楽プロデューサーの中野雄(たけし)氏との出会いから生まれた。

「昨年、ある会合で“音楽好きな方”として浜田さんを紹介されたのですが、話を伺うと“幼少時から作曲家を志し、東大生時代には大学の応援歌まで作った”とおっしゃる。温めていた自作をCDにしたいとのご希望を聞き、楽譜を送っていただいたら、水準の高さに驚きまして」(中野氏)

 なるほど、作品は確かにどれも手慰みの域を超え、会場に集まった100人ほどの招待客からも、盛んな拍手が送られていた。

 浜田氏ご本人によると、小学生の頃は国語教科書の詩に曲をつけるのが趣味で、やがて東京音楽学校(現・東京芸大)の通信教育で初歩を学び、東大入学後にも『銀座の恋の物語』の作曲者・鏑木創氏に師事していたというほど。この日は、

「おかげさまで永年の夢を叶えていただきました」

 と感無量のご様子だった。

 ところで、祝辞を送ってくれた安倍総理には、CDを献呈なさったのだろうか。

「ええ、妻にもちゃんとしなさいと言われてまして、1週間以内にはお届けするつもりでおります、はい」

 第2弾を、との声が早くも出ていたが、アベノミクスの舵取り役なれば、本業の経済運営でも妙なる調べを響かせて、万民を喝采させてくださらんことを。

週刊新潮 2016年1月21日号掲載

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