「“根元から1センチ”弁護士」と「不倫妻」の今 [股間枝切り鋏事件]

国内 社会 週刊新潮 2015年12月10日号掲載

  • ブックマーク

 今年8月に起きた「股間枝切り鋏事件」の冒頭陳述が、11月26日の第2回公判で読み上げられた。

 そこには、元プロボクサーの小番一騎(こつがいいっき)被告(25)と被害弁護士、そして小番の妻で弁護士と不倫関係にあった「A」の三角関係が克明に綴られていた。

 さらに冒陳は弁護士の“被害”についても触れており、

〈陰茎が根元から1センチ程度しか残っておらず〉

〈現在、被害者は、小便用便器での排尿は不可能〉

〈現在も股間に激痛が走るため、座薬を使って和らげている状態である〉

 と、痛々しい容体が明かされることとなった。

 ***

 小番、弁護士、そして女の現状あるいはこれからについて触れよう。

 元東京地検検事で弁護士の郷原信郎氏によると、

「被告人の犯行内容は残酷で、かつ被害者を社会的廃人に近い状態に追い込んでいるわけで、傷害致死と同等の罪と言って良い。しかも元プロボクサーの拳は凶器とほぼ同義に扱われますから。ただ、冒陳を見ると、被害者の落ち度もかなり見受けられるので、6~8年くらいの求刑になるのではないでしょうか」

 次に、岡山大学病院ジェンダーセンターの難波祐三郎教授が弁護士の状況を解説する。

「小便器で排尿できないのは、蕾(つぼみ)のような陰茎を支えることが難しく飛ぶ方向が安定しないこと、そして、尿道口の狭窄で、尿がシャワー状に飛んでしまうことが考えられる。3分ほど力まないと尿が出ず、200ccほどの残尿感もあるでしょう」

 さらに、「股間の激痛」については、

「その1は、陰茎の根元から亀頭に伸びる陰茎背(はい)神経を刺激するもの。根元から1センチという幹の部分と下着が触れるだけでビリビリっと痛む。その2は勃起痛。彼には勃起や朝勃ちもありますが、受傷前と同量の血液が流入すると、容量が著しく少なくなった海綿体および白膜が緊満するために痛みが生じる。その3は数%に過ぎないのですが、ないはずの切られた先の陰茎が痛むというファントムペイン。“勃起したペニスをハイヒールで踏まれ続けている痛み”と聞いたことがあります」

 こう聞くと、沈鬱の気が漂うばかりであろうが、1センチもあれば性感もありシゴくのも可能だと言うのだ。

「傷が完全に落ち着く半年以降、陰茎再建手術を受けるはず。知覚神経付きの皮弁を丸めてチューブ状にして移植し、性感の回復も期待できることでしょう」(同)

 そしてAさんはと言うと、

「迷惑をかけたと言って塞ぎこむ毎日のようです。小番に対して負い目を感じていて、“自分が証人に出て……”ともこぼしている。とはいえ、そうしたって量刑が軽くなるわけではない。Aさん一家の思いもあって、判決が下れば、小番夫婦は離婚することになるでしょう」(一族の関係者)

 森鴎外は、『ヰタ・セクスアリス』にこう書く。世間の人は性欲の虎(とら)を放し飼にして、どうかすると、その背に騎(の)って滅亡の谷に墜(お)ちる――。

「特集 紳士諸兄が肝を冷やした冒頭陳述 枝切り鋏事件『三角関係』頂点にいた女の役回り」より