“不倫妻”と“被害者弁護士”の最初の情事 [股間枝切り鋏事件]

社会週刊新潮 2015年12月10日号掲載

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 三角関係。世間の耳目を集めた“真夏の怪談”の裏に、男女3人の複雑な恋愛関係があった。弁護士の卵が、国際弁護士の股間を枝切り鋏で襲った傷害事件から3カ月。検察の冒頭陳述の赤裸々さに紳士諸兄が肝を冷やしたのである。さて、女はどう振る舞ったのか。

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小番の妻は弁護士の専属事務員でもあった

 湖に浮かべたボートを漕ぐように、人は後ろ向きに未来へ入っていく。これはフランスの詩人、ポール・ヴァレリーの言葉である。

 国際弁護士としての評価、美しい妻に4人の子、築き上げた資産。高校時代にボート部で培った頼もしいオールさばきも手伝ってか、一家を乗せたボートは抜群の安定感を誇っていたに違いない。だから、詩人の警句の持つ真実の響き【未来は現在と隣り合わせではあるけれど、明日のことは誰にもわからない】に、弁護士はいささか鈍感だった。

 去る8月13日のことである。元プロボクサーで慶応大法科大学院生だった小番一騎(こつがいいっき)(25)が、東京・虎ノ門の弁護士事務所でこの弁護士を急襲し、あろうことか、陰茎を切り取るという傷害事件が発生。その猟奇的な出来事の現場には、国際弁護士の専属事務員だった小番の妻(26)が立ち会っていたのだが、三者の関係はなかなか判然としないままであった。

 ところが、3カ月余が過ぎた11月26日午前10時、東京地裁426号法廷。第2回公判で読み上げられた冒頭陳述には、犯行に至るまでの三角関係が赤裸々に綴られていたのである。

■セックスに関する話ばかり

 初公判にあるはずの冒陳が、なぜ今回だったのか。

「あらかじめ見せられた弁護側が、“妻と被害者男性の詳細なメールの内容がかなり多く引用され、不相当”と異議を申し立てた。で、それが受け入れられ、検察は半分ほどの分量に仕立て直したわけです。もちろんこれは異例のこと」

 と言うのは、司法担当キャップである。

「検察が初めそうしたのは、双方合意に基づく性行為であることを印象づける狙いから。弁護士が強姦していたのならば、小番の犯行に情状酌量の余地が生まれることになりますので」

 その一方で、弁護側の対応を訝(いぶか)しんで、

「冒陳があり、それに対して反論し……という裁判のセオリーを破ったわけで、異議を認めたとはいえ裁判官の心証は良くはない。弁護人はそんなことをまず勧めません。たとえ量刑が重くなっても、ふたりの親密な関係を暴露されたくない小番本人の意向が働いたのではないでしょうか」(同)

 もっとも、ダイジェスト版となり披露された冒陳であっても十分にスキャンダラスだった。その証拠に、

「小番の奥さんと被害者のセックスに関する話ばかりで、かなり驚きました。みな必死にメモを取っていて、傍聴席はざわつく余裕などなかった」(傍聴人のひとり)

■12月29日昼頃の最初の情事

 黒髪を後ろで束ねた30代前半の女性検事が淡々と読み上げた冒陳にはこうある。記述は昨年5月に始まる。

〈被害者は、港区内の法律事務所に移籍。その際、自己の専属事務員を募集し、複数人を面接した上でAを採用〉

 このAさんが、他ならぬ小番の妻である。

「彼は経費を自己負担するパートナーという立場。したがって、事務員も自身で雇って報酬を支払う。常に弁護士と行動を共にするAさんは身長が150センチ台と小柄で可愛げのあるタイプ。てきぱき仕事をこなしていた」(事務所関係者)

 冒陳は一気に時計を進めて、7カ月後の12月29日昼頃の最初の情事に触れる。

〈被害者は、Aと共に、港区内の寿司屋で食事を取り、飲酒した後、事務所に戻り、同所内で初めてAと性交した。Aは、嫌がる様子を見せなかった〉

 前出・関係者によると、

「事務所はこの日から年末年始のお休みでした。彼がいるスペースは40坪ほど。8人の弁護士とその事務員のデスクが並んでいますが、仕切りやソファもない。会議室もテーブルと椅子だけですから、はて、どこでやったんでしょうか……」

「特集 紳士諸兄が肝を冷やした冒頭陳述 枝切り鋏事件『三角関係』頂点にいた女の役回り」より