ヴィンテージ・ワイン、ビクトリア朝絵画、ゴールド 臆病な素人投資家が3年後に笑うのはどっちだ?(6)

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 1975年に1000ポンドの価値だったヴィンテージ・ワイン、ビクトリア朝絵画、ゴールドが、その後どう価格変動したかを調べたグラフ(アートマーケット・リサーチ調べ)が興味深い。

 33年後の2008年には、ワインが3万8000ポンドの値を付けているのに対し、絵画がその半分以下の1万8000ポンド、ゴールドに至っては5000ポンドにも満たない。

「1947年シュヴァル・ブラン」を例に取れば、この銘柄は13年、オークションで1本あたり155万円の値を付けた。約20年前には1本4万円相当だったものだが……。

「世界中の金持ちがなぜワインに投資するかといえば」

 と、銀座のクラブママで、自身もワイン投資をする浅川夏樹氏が次のように続ける。

「希少性もあるけれど、飲んでしまっているかわからないので、預金や有価証券と異なり財産を把握されにくいからです。そのうえロンドン、ニューヨーク、香港、シンガポールといったオークションが開かれる各都市のセラーに分散して保管するので、資産の移動や管理がわずらわしくありません」

 そこには、3年という近視眼的な視野では見落としてしまう世界があるのだ。

「特別読物 臆病な素人投資家が3年後に笑うのはどっちだ?――西所正道(ノンフィクションライター)」より

西所正道(にしどころ・まさみち)
1961年奈良県生まれ。著書に『五輪の十字架』『「上海東亜同文書院」風雲録』 『そのツラさは、病気です』、近著に『絵描き 中島潔 地獄絵一〇〇〇日』がある。

週刊新潮 2015年11月26日雪待月増大号掲載