「谷垣幹事長」を“幻”にした慶大「三田祭」のお粗末

政治週刊新潮 2015年12月3日号掲載

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 学園祭の目玉といえば、ゲストとして来校する有名人だろう。11月20日から23日まで行われた慶應義塾大学の「三田祭」では、前夜祭でミュージシャンのコブクロが新曲を熱唱。日本テレビの鈴江奈々アナも華を添えて、女子アナの登竜門と名高いミスコンも盛り上がりを見せた。

出鼻を挫かれてしまった谷垣幹事長

 が、そんなお祭り騒ぎを他所に、公式ホームページ上には、実行委員会から〈本年度の三田祭に谷垣禎一自民党幹事長がお越しになるという報道がございますが、本年度の三田祭ではそのような企画は行われません〉との“おことわり”がひっそりと掲げられていたのだ。

 その報道とは、10月11日の読売新聞だと、全国紙の政治部記者が明かす。

「来年の参院選から実現する18歳選挙権を見越し、自民党は全国の大学へ議員を派遣し党をPRする“大作戦”を打ち立てた。その第1弾が谷垣氏。慶應の学生から講演会の打診があったことに乗じ、自ら手本を示すと張り切っていたんです」

 この“大作戦”が報じられるや、一部の学生からこんな声が上がったという。

「国会デモで学生の政治的関心が高まっていることもあり、“大学を政治宣伝の場に利用するのか”“自民党だけ呼ぶのは不公平”という意見が噴出したのです。昨年の三田祭には民主党の海江田万里前代表、一昨年は甘利明TPP担当相と、政治家の講演会は恒例となっていますが、今回は自民党が講演を通じ“党勢拡大につなげる”と報じられたことが問題視されました」(同)

慶應大学旧図書館

“政治の季節”じゃあるまいし、今ドキの慶大生らしからぬ硬派な意見が出たものだ。で、主催者は谷垣氏に“話題を経済に限って”とお願いしたが折り合いつかず、11月初めに“大作戦”はご破算となったのだ。

「面子を潰され谷垣さんも党内で言い辛かったのでしょう。顛末を知らない牧原秀樹青年局長が、11月13日の会見で“谷垣幹事長が慶應で講演します”と言ってしまい、記者たちの前で赤っ恥をかきました」(同)

 慶大生に出鼻を挫かれてしまった谷垣サン。仕切り直しは、母校の東大からといきますか。