年末のヨーロッパ旅行はどこの国が比較的安全か?

社会週刊新潮 2015年11月26日雪待月増大号掲載

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 ルーブル美術館で『モナリザ』を愛(め)で、エッフェル塔から市内を見渡す眺望を楽しみ、豪華絢爛なベルサイユ宮殿の建築物に圧倒され、美しい庭園を散策……。「花の都」パリを首都に持つフランスは、もはや手放しで旅情を満喫できる国ではなくなった。では、年末に向けて安心かつ安全に楽しめるヨーロッパの国とは。

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 昨年だけで48万人の日本人観光客が訪れたフランスの人気は、ヨーロッパの中でも一、二を争う。ところが、今年1月に新聞社を襲ったテロ事件以来、その人気は下降気味だ。大手旅行代理店の関係者は、

「今年度の旅行者数は、昨年より3割近くも落ち込んでいる印象です」

 と肩を落とす。が、この季節はシャンソンの名曲『枯葉』が歌うように、石畳の路地を黄金色に染まった枯葉が木枯らしに舞うような、風情たっぷりのパリが楽しめる。そんな魅力を諦めきれない日本人の1人がタレントの岡本夏生さん(50)だった。

「11日にパリに着いて、旧友との再会や、美術館とか穴場のレストランを楽しんでいたんです。ところが帰国の2日前に事件が起こり、街は物々しい雰囲気に変わりました。それでも私は、2時間でエッフェル塔やノートルダム寺院などをバスで巡るツアーに参加したんです。でも、銃撃されたら嫌なのでバスの外には出ませんでした」

 岡本さんは、過去に経験のない強い緊張を強いられたことで、日本の治安の良さを改めて実感したそうだ。

 では、年末の旅行シーズンをヨーロッパで過ごすには、どの国に行くのが安全なのか。前出の大手旅行代理店関係者によると、

「言いにくいですが、イスラム教徒が少なくて、かつ、アメリカに目立った肩入れをしていない国です。シリアに対する空爆や支援を行っている大国ではなく、国際社会であまり目立たない小さめの国が安心です」

 おすすめは、東欧や中欧諸国という。具体的にはチェコ、スロバキアだが、ポルトガルも候補という。

■テロ事件と無縁

「この3カ国は、ドイツやフランスを目指すシリア難民が移動する主たるルートから逸れているので難民が少なくテロの心配もほとんどありません。人口に比べてイスラム教徒の割合が低いのも特徴的です」

 外務省の「海外安全情報」によると、

〈右翼・左翼等の過激派組織が存在しますが、これら組織の活動は総じて低調です〉(チェコ)

〈イスラム過激派組織等の国際的なテロ組織の細胞組織の活動も確認されていません〉(スロバキア)

〈14年中、イスラム過激派組織の活動は確認されませんでした〉(ポルトガル)

 と、いずれの国でもここ数年はテロ事件とは無縁と、お墨付きが与えられている。

 パリを京都に例えると、プラハやブラチスラヴァ、リスボンは古都・金沢のような存在という。物価もフランスに比べて2〜3割安く、予算の面でも魅力である。

「特集 7人のテロリストで死傷者480人 自爆の爆薬は『魔王の母』 パリを硝煙の都に変えた『イスラム国』に次がある!」より