27年ぶりに縦じまユニフォーム!「掛布2軍監督」の大借金返済予定

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 懐かしの31番には「チーム再建」と「みんなの債権」という、似て非なる2つの重責がのしかかっている。今月からユニフォーム姿でグラウンドに復帰した、阪神の掛布雅之・2軍監督(60)である。来季の若手育成を計画中のご本人にもう1つ、大借金返済予定について尋ねてみると……。

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 1日から西宮・鳴尾浜球場で始まった2軍秋季キャンプでは、さっそくマンツーマン指導に乗り出した掛布監督。球団の育成・打撃コーディネーターは2年前から務めていたものの、現役時代と同じ31番の縦じまに袖を通すのは1988年の引退以来、実に27年ぶりのことである。

「やはり人気はさすがで、7日には異例の入場規制がかかりました。初日も、サイン目当てに300人のファンが行列したほどです」

 とは、スポーツ紙担当記者。1軍の金本新監督しかり、否応なく注目が集まる来季だが、同時にここ数年、「ミスタータイガース」に絶えずついて回る“身の上話”も忘れるわけにはいくまい。運動部デスクの話。

「阪神が日本一になった85年、掛布さんは妻を社長に据えて『掛布企画』を設立、お好み焼き店やスポーツ用品店の経営に乗り出しました」

 引退後も野球解説の傍ら、地鶏の店や串揚げ屋など手を広げていったのだが、

「何しろ経営は人任せで、開いては畳んでの繰り返し。借金がかさむとそれを埋めるため方々から借りて回るという悪循環でした。2008年には住民税滞納などで、大阪・豊中市の鉄筋4階地下1階の豪邸が差し押さえられてしまいます」(同)

 その後も返済のめどが立たず、11年6月には自宅が強制競売にかけられ、入手に渡ってしまう。翌月、掛布企画は2回目の不渡りを出して事実上の倒産。負債総額は推定4億円だった。直後に開かれた債権者集会で、

〈大変なご迷惑をおかけした〉

 本人は、そう陳謝していたのだった。

■グッズが売れれば

 それが今回、堂々監督就任というのだから、さては晴れて完済かと思えば、さにあらず。事情通によれば、

「借金は今も抱えたまま、豊中市の“元自宅”に家賃を支払う形で住み続けています」

 とのことだが、

「本人は昨年末にも債権者を集め、弁護士を同席させて話し合いの場をもちました。その席で『今後は月々、分割で返済していく』ということで了承して貰った。球団側も、それならば問題なかろうと監督就任を決めたのです」(同)

 これは、双方にメリットがあるといい、

「2軍とはいえ、人気者の掛布さんだから確実に客足は伸びる。さらにグッズの売り上げも見込めます。個人のグッズは、球団だけでなく本人にも売上げの数%が分配される。そこは『少しでも返済の足しになれば』という球団の“親心”だと見られているのです」(前出デスク)

 それでも、計画遂行は捗々しくないようで、例えば3000万円を貸しているという債権者は、

「監督に就任したと聞いてお祝いの電話をかけましたけれど、お金の話は一つも出ませんでした。いまだに“返済のへの字”にも至ってません」

 という。で、監督に聞くと、例のしゃがれ声で、

「え、借金ですか……。球団の許可を貰わないと、何も話せないんですよ。ハイ。そういう契約を結んでいるので」

 来季は、チームともども“借金生活”から抜け出せるだろうか。

「ワイド特集 ふとどき者ほどよく眠る」より

週刊新潮 2015年11月26日雪待月増大号掲載

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