東京タワー“地上150m”をホテルにする米「民泊」業者

企業・業界週刊新潮 2015年11月26日雪待月増大号掲載

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 東京タワーが“ホテル”になる。普段であれば、営業時間外となる日の出の光景も、貸切りで存分に味わうことができるのだ。

「民泊」仲介サイト「Airbnb」(エアビーアンドビー)は、地上150メートルに位置する東京タワー大展望台を、一夜限りの“ホテル”として無料で提供する。対象は会員限定で、応募は既に締め切られたが、11月23日に選ばれる1組2名が、12月8日に一夜限りの“おもてなし”を受けて、ベッドルームでの朝食も楽しめるという。

「ノルウェーでスキーのジャンプ台にゲストハウスを作ったり、米大リーグ・レッドソックスの球場に泊まれるようにするなど、世界中のユニークな場所で宿泊体験を展開してきました」

 とは、米国に本社を持つAirbnb日本法人の広報担当者。東京タワーを選んだのには、こんな理由があったと語る。

「宿泊者は当選者のご両親や祖父母などシニア世代に限ります。タワーは日本を牽引してきた時代の象徴。共に歩んできた世代に特別な体験をしていただき、感謝の気持ちを伝える素晴らしい方法だと思ったのです」

 今や日本でも自宅やマンシヨンの空き部屋を旅行者に貸し出す“民泊”がブームだが、世界190の国で仲介サイトを運営して、業界最大手に君臨するのがAirbnbだ。東京でも五輪に向け需要が高まると期待されるが、11月13日に内閣府が開いた有識者会議では、こんな一幕もあった。

「国内の民泊事業者がAirbnbを“ヤミ民泊”だと非難したんです。旅館業法に則って行政が許可した宿泊施設しか紹介していない業者からみれば、民泊の法整備が整っていない現状で空き部屋を活用している米国企業を苦々しく思っているのです」(社会部記者)

 で、東京タワーへの宿泊については、行政も了承済みというのは先の担当者だ。

「弊社のプロモーションの一環として行うので、法的に問題はクリアしています」

 奇抜なアイデアを次々と展開する“黒船”企業。タワーに続くターゲットはいったいどこになるのか。