山口組組長から2000万円を借金「日大名誉教授」が泣き崩れた

社会週刊新潮 2015年11月19日号掲載

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 禍と福、美と醜、善と悪。物事はすべて表裏一体だが、「法」と「無法」も同根であったのか。日大の名誉教授に上り詰めた法学の権威が、アウトローの世界の大立者と“お付き合い”し、巨額の借金をしていたのである。その真意を問うと、齢77の老教授は、電話の向こうで泣き崩れて――。

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大学にとってはいい迷惑

「なんでこんなに苛(いじ)められなきゃならないの……」

“問題”が発覚したその夜、携帯を鳴らすと、渦中の人物はしばらく沈黙した後、絞り出すようにそう述べた。

「参った。もう15年も前のことでね。今までのすべてを失いました。すべてを無くしました。はぁ……」

 再び沈黙が始まる。

 その借金が明るみに出たのは、11月9日、NHKの報道によってである。

 曰く、10年程前、日大の法学部教授(当時)が山口組の直参組長(同)から海外事業の投資資金として2000万円を借り、未だに返済を果たしていない。組長は山口組のナンバー3になるほどの大物だった――。

「キッカケは組長が引退後、さいたま地裁の越谷支部に起こした裁判でした」

 とは、全国紙の社会部デスク。

「元組長は別の男性に貸金の返還請求を起こしたのですが、その中で昨年8月、名誉教授が原告側証人として出廷し、被告側尋問に借金の存在を話してしまった。大学の名誉教授がヤクザ側の証人として公の場に出てくること自体異常ですし、そこで借金の事実を語ることもありえない。現役組長から金を借りたことをはじめ、彼の“脇の甘さ”には唖然とするばかりです」

■“もう倒れそう”

 この名誉教授の名を、仮に沢村友雄氏としておこう。沢村氏は、英米法が専門で、2008年の退官後も、非常勤ながら教壇に立ち、学生を指導してきた。

 日大の関係者によれば、

日本大学法学部本館

「沢村さんの父方の祖父は、日大中興の祖と言われる、三代目の総長。母方の祖父も学校法人麹町学園の創立者という、名門教育一家のお坊ちゃんです。本人は変わり種で、工学部の出身なのに大学に就職後、アメリカに留学して法学を学び、帰国後は教鞭をとるまでになった。温厚な人柄で、評判は上々でした」

 というから、彼を知る関係者は一様に今回の件を驚くのだが、改めてご本人の弁を伺ってみよう。

「いや、今日ね、友達からニュースでやってると聞いてビックリしてね……。しかし、どうしてこんなことが漏れたんですかね。あんな田舎の裁判所でやったものがね、何でNHKが見つけたのか。私がマジメに喋りすぎたのがよくなかったのか……。あまりに不思議でしょうがないんです」

 なぜ組長から金を借りたのか?

「いや、あの人が現役じゃないと思っていたから。昔はともかく、初めて会った時にそう思っていたから」

 現在の状況は?

「身を隠しています。マスコミの追いかけが厳しくて……。今日はもう倒れそう。疲れ切ってずっと横になって寝ていたんです」

 学生に対してどう思う?

「あのね、夜7時40分から始まる私の授業にね、たくさんの社会人や留学生、現役の学生が来て、熱心に話を聞いてくれるんですよ。私も一生懸命教えています。学生に評判を聞いてくださいよ。私は自分の教育にね、自信を持っているんです。だから迷惑をかけてしまって、申し訳ないっていう……気持ちでいっぱいです。学生に申し訳ない……」

 と、その先は嗚咽で声が聞き取れないほどだったが、この情熱の数分の1でも身辺管理に向けていれば、かような事態は起こらなかったはず。翌日、日大から解雇され、二度と教壇に立つことはなくなった沢村氏だけれど、これもまた、「自業自得」と言えるのである。

「ワイド特集 残念なお知らせがあります!」より