ロシア機「爆破テロ」ならどう出る「プーチン」

国際週刊新潮 2015年11月19日号掲載

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 乗客乗員224名全員が死亡した、10月31日のロシア機墜落。これが“事故”なのか“事件”なのか、様々な情報が乱れ飛んでいたが、ついに“事件”として新たな展開をはじめた。

「11月7日、事故調査委員会のエジプト人調査官が、ボイスレコーダーの最後の部分に残っていた雑音を“9割がた、爆発音とみている”と発言したことなどで、テロ爆破が濃厚になった」(外信部記者)

 早くからテロ説を唱えてきたアメリカ、イギリスと、それを認めようとしないロシア――この構図はそのまま、シリアのアサド政権への対応と重なる。英米は反アサド、ロシアは親アサド。共通するのは反イスラム国だ。

「ロシアはイスラム国掃討を名目に、9月末から空爆を開始した。だがその本音は、反アサド勢力も一緒に排除すること。思い切った手を打ったわけですが、旅客機墜落が爆破テロによるものなら、犯行声明通り、イスラム国による報復ということになります。英米はこれをきっかけに、ロシアの軍事介入をやめさせたいのです」(同)

 だが、あのプーチン大統領が、これで攻撃の手を緩めるだろうか。中東情勢に詳しい、放送大学教授の高橋和夫氏は言う。

「チェチェン紛争の際も、プーチンはモスクワでどんなテロがあっても決して屈せず、断固とした対応を取り続けました。ロシアはエジプト便の運航を停止しましたが、これは事実上、テロ爆破説を認めたのと同じこと。いずれ正式に認めた上で、この事件を逆手にとって、空爆を正当化するプロパガンダに利用するのではないかと思います」

 自国民の犠牲よりも、中東における親ロ政権の確保を優先するプーチン。

「“ロシア義勇軍”という形で地上軍も投入するのでは、という情報も流れています。そうなったら、ソ連崩壊の遠因となったアフガニスタン侵攻の二の舞になるかもしれない、と懸念する声もある」(先の記者)

 コトは中東地域にとどまらず、さらなるテロ拡散の恐れも……。