[マンション偽装]問題企業5社の社長たちのお住まいを点検してみる!

国内 社会

  • ブックマーク

 三井不動産の社長、会長を歴任した故・坪井東氏は、終戦の9年後に購入した古びた木造家屋に終生住み続け、新聞の取材に「こんな家では外国人のお客も呼べない」と自嘲するような人物であった。同様の質素さを求めるわけではないが、今回の問題の当事者となった会社の社長たちは一体、どんな家に住んでいるのか。

 連日、テレビや新聞で報じられる「三井」、「旭化成」の名。どの会社が件(くだん)のマンションの何を担当したのか、頭が混乱してきたという方のために今一度整理しておこう。

 まず、販売を担当したのが三井不動産レジデンシャル。三井不動産の子会社だ。施工を請け負ったのは、三井住友建設。そして問題の杭打ち工事を行ったのが、サランラップなどで知られる旭化成の子会社、旭化成建材である。

 これら5社の会社登記簿に記載されたトップのお住まいだが、先にその「分類」を明かしてしまうと、2者が賃貸マンション、1者が分譲マンション、2者が一軒家であった。

■「傾き」とは無縁

「賃貸組」は、三井不動産の菰田正信社長(61)と旭化成の浅野敏雄社長(62)のお二人である。菰田社長のお住まいは東京都港区内の超高級マンションで、貸主は三井不動産の子会社。浅野社長の自宅は、東京都中央区内の高層マンションだ。

「菰田社長のマンションは、高層階の広めの部屋だと家賃が月に200万円以上もかかります。浅野社長の方は広さが約80平方メートルですから、家賃は30万円から50万円くらいでしょう」(不動産業界関係者)

 5人の中でただ1人、分譲マンションにお住まいなのが、三井住友建設の新井英雄社長(60)。その自宅マンションが建っているのは、埼玉県川越市だ。「地盤マップ」によれば、川越の支持層の深度は「8メートル」。つまり「安全」に分類される地域である。そのことはマンションの居住者もご存じのようで、

「ウチは固い岩盤の上に建っているので、杭打ちなどに関して、これまで問題になったことはありません」

 と、住人の1人は言う。

「私は1994年にマンションが出来た時に一次入居者として入ったのですが、新井さんもご家族と一緒に同じ形で引っ越してこられたはずです。新井さんの所は4LDKで、値段は4600万ほど。施工は大林組で、三井住友建設は関係なかったと思います。ここ数年、新井さんの姿はお見かけしないですね」

 残るは、「一軒家組」のお二人。三井不動産レジデンシャルの藤林清隆社長(58)のご自宅は、横浜市青葉区内にある。4年前に新築された木造2階建てで、ベージュの外壁に、こげ茶色の木枠が映える洒落た外観だ。門扉には〈こども110番の家〉と書かれたカード、車庫にはBMWとワゴン車。決して広くはないが庭もあり、立派な犬小屋が設置されていて……。要するに、あらゆる意味で「傾き」とは無縁のように見える家である。

 一方、東京都世田谷区内にある旭化成建材の前田富弘社長(60)のご自宅も、「瀟洒な」という形容が相応しい2階建ての一軒家。建てられたのは99年だ。

「この辺りは世田谷区の中でも、そこまで高くない地域。前田さんの家は土地と建物合わせて8000万円くらいだと思う」

 そう話すのは自宅近くの不動産屋だが、近隣住民に聞くと、

「ここらは旭化成の家が多く、確か、前田さんの家もそうだったように思います。ご家族はあまりお見かけしませんが、休みの日に前田さんが庭の手入れをしているのはよく見ます。例の問題が発覚してからは、家の周辺を、インカムをつけた警備の人がウロウロしていたりして、物々しい雰囲気ですね」

 そんな前田社長が目下、一番気にしていること。それは、自らの会社の「傾き具合」に違いない――。

「特集 杭打ち偽装が全国で感染爆発! 今から『自宅マンション』を点検できる完全ガイド」

週刊新潮 2015年11月12日号掲載