「ダルビッシュ」が「許せない」と電話でこぼした不肖の弟

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“野球賭博”でお縄となったダルビッシュ翔の兄・ダルビッシュ有

 度重なる傷害沙汰や大麻所持で逮捕歴を重ねた末、ついに“最後の一線”を越えてしまった。巨人軍が球史に残る不祥事に揺れる折も折、ダルビッシュ有(29)の実弟・翔(26)は、あろうことか“野球賭博”でお縄となる。愚弟の犯行に、大リーグ・レンジャーズでエースを任される兄も怒りを滲ませるのだ。

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「最近は“焼き鳥屋を開く”言うて真面目に取り組んでたし、1歳の娘もおるしね。ほんま何でこんなことになったんやろか……」

 困惑の表情を浮かべるのは、ダルビッシュ兄弟の実母である。

 大阪府警は10月27日、翔ら8人を賭博開帳図利や、常習賭博などの容疑で逮捕したと発表。府警担当の記者が経緯を振り返る。

「昨年9月に翔が野球賭博の胴元をしているとの情報提供があった。府警の捜査4課が内偵を進め、今シーズンに入ってから確認できたプロ野球と大リーグの44試合について立件したのです。胴元となったのは翔とその後輩。16人の客から、1口1万円で計1850万円を集めていました」

 テラ銭として約1割のカネが胴元の懐に転がり込んだとされる。また、特定の賭場は設けず、やり取りは専らLINE上で行われていた。その手口は“玄人はだし”だ。

「プロ野球の場合、火曜から日曜までのゲームについて、翔がLINE上でハンデを伝え、日曜の晩から月曜にかけて1週間分の勝ち負けを清算する。支払いを後回しにすることで、客は負け分を取り返そうと躍起になるわけです。ハンデのつけ方も含め、暴力団関係者から知識を仕入れていた可能性は高い」(同)

■内縁の妻も逮捕

 実際、賭博に用いられたLINEの画面には、翔が書き込んだ、〈ソフト(バンク)1〉〈オリックス0・5〉といったハンデを示す符丁が並ぶ。さらに、兄が所属するレンジャーズの試合までもが、ギャンブルの“ネタ”になっていた。

 知人から逮捕の事実を知らされた実母は、戸惑いながらもアメリカに連絡したという。

「有にしてみれば野球は真摯に取り組んでる仕事やからガッカリして、言葉を失ってるような状況ですよ。“もし本当に賭け事をしていたなら許せない”とだけ言うてました。翔はお兄ちゃんのこと、すごく尊敬してるし、賭け事も遊び半分やったと思う。急に羽振りがよくなったこともないです。むしろ最近も、“お金貸して”とせがんでくるばっかりでした」(実母)

 今回の逮捕者の中には、翔と同居する内縁の妻も含まれている。

「もうすぐ入籍するところやったんです。娘はいま、彼女の実家に預かってもらってます。確かに、翔はこれまでヤンチャばかりしてきました。数年前まではスナックを手掛けてたけど、“女の子は難しいわ”言うてうまくいかんかったみたい。それでも、ここ最近は家族のために焼き鳥屋を始めたいと一生懸命やったから、ほんまに驚くしかない」(同)

 野球協約にも、弟を永久追放する条文は存在しない。

「ワイド特集 転ばぬ先に折れた杖」

週刊新潮 2015年11月12日号掲載

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