秋篠宮ご夫妻が「移民1世」と交歓したブラジル10都市訪問

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 遠い地球の裏側で暮らしている日系移民の数は、およそ160万人とされる。

 そのきっかけとなった日本とブラジルの国交樹立120周年を祝うため、秋篠宮同妃両殿下が、遠く南米大陸へと足を運ばれている。

秋篠宮同妃両殿下

「10月27日に日本を出発した両殿下は、ドイツを経由して28日にブラジル南東部の大都市サンパウロに到着しました」(皇室担当記者)

 その後は、国内を縦断する形でクリチバ、ロンドリーナ、ロランジア、マリンガ、カンポ・グランデ、ミランダ、ベレンなどの主要都市を巡り、日系人の記念式典や食事会に出席。11月6日は首都・ブラジリアの大統領府にルセフ大統領を表敬する予定で、8日にリオデジャネイロを発ち10日にご帰国される。移動日を除けば、12日間で10都市を巡る過密スケジュールだ。

「ひとつの国を長期間にわたって縦断するご公務は異例ですが、それだけ皇室が日系移民の功労に重きを置いている証です。皇太子時代を含めれば、天皇皇后両陛下は3回、皇太子さまも2回、ご結婚前の黒田清子さんも95年に一度だけ訪問しています」(先の記者)

 ご夫妻としては初訪問となった秋篠宮さまだが、初日に訪れたサンパウロの日系人が主催する歓迎式典では、“移民80周年でお邪魔した際は1人でしたが、今回は夫婦揃って来ることができました”と、感慨深げに挨拶をされたのだった。

 現地在住のジャーナリスト・大野美夏氏の話。

「88年に殿下がサンパウロへ来られた際は、4万人収容のスタジアムが埋まるほど日系人が集まりました。規模からいっても、当時を知る日系人にとっては今でも語り草になるほど大事な思い出です。今回改めて秋篠宮さまが来られたことで、“自分たちは忘れられていないんだ”と感動した日系1世は多かったですね」

 今や日系6世が生まれる時代。約1000人が集まったサンパウロの歓迎式典でも、70歳以上の日系人は200人を数えるのみ。それでも、童謡『汽車ポッポ』を合唱し、会場を大いに盛り上げたという。

週刊新潮 2015年11月12日号掲載

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