朝鮮日報いわく“ノーベル賞は自販機からは出ない”

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 韓国の人々もそう思っているだろう。ノーベル賞が金で買えるはずもない、と。

 だが人は得心のゆかぬことに理由を求めるもの。なぜ韓国人は授賞されぬのか、連日こんな見出しが紙面を飾る。

〈日本が韓国よりノーベル賞受賞者がずば抜けて多い理由〉

〈韓国に足りないのは「士気」〉。

 果ては

〈韓国に科学分野のノーベル賞は絶対に必要なのか〉。

「ここ数年、報道は過熱気味です。科学分野でノーベル賞受賞者ゼロの韓国で受賞は悲願。昨年初めて韓国人研究者がトムソン・ロイターの発表する受賞予想者リストに名を連ねてからは、期待が高まるばかりです」(韓国在住記者)

 ところが日本人が2日連続で受賞、韓国はゼロと判明すると、10日、朝鮮日報はこんな見出しを掲げた。

〈日本人ノーベル賞受賞は韓国人にありがたい知らせ〉

 なにごとかと思うが、毎年日本から吹く「ノーベル賞の風」に当てられ、研究費は年々増加、今や国内総生産に占める研究開発への投資比率は韓国が世界一だという。だが同時に、「お金を入れればコーヒーが出てくる自動販売機のように」、金を注ぎ込んでも受賞はできないと同紙は説く。

 韓国出身の呉善花拓殖大学教授が溜息交じりに言う。

「韓国人にとってノーベル賞は国力そのもの。また、反日教育の根は“侮日”です。劣った日本人が受賞でき、優秀な我が民族ができないことに納得いかず、原因を金に求めたい――そうした人々を諫めたのでしょう」

 受賞するのは国でも民族でもなく、個人なのにね。

週刊新潮 2015年10月29日号掲載

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