嘘の苦情電話7000回 「詐欺おばさん」のゴミ屋敷

国内 社会 週刊新潮 2015年10月8日号掲載

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〈人生は何事をも為(な)さぬには余りに長いが、何事かを為すには余りに短い〉(中島敦「山月記」)

「彼女」にとって、これまでの人生は長かったのか、それとも短かったのか――。

 9月26日、兵庫県警伊丹署は、同市内に住む小野谷(おのたに)知子(45)を詐欺容疑で逮捕した。社会部記者が解説するには、

「小野谷は5月、大阪府内のケーキ屋に、実際は購入していないのに『買ったケーキに髪の毛が入っていた』とクレーム電話を入れ、356円相当の“代替品”を詐取。翌月には兵庫県内のパン屋に、やはり髪が混ざっていたと因縁をつけてパンの代金1085円などを騙し取っていました」

 しかも、携帯電話の通話記録から、小野谷は少なくとも30都道府県のケーキ屋等、約1200店に、計7000回も電話をしていたことが分かっている。

「余罪は膨大な数にのぼると見られています」(同)

 小野谷が9月初旬まで住んでいた家の近隣住民曰く、

「彼女は無職でしたが、炊事や洗濯をしている様子は皆無で、家はゴミ屋敷。何とも言えない饐(す)えた臭いが漂ってきました。朝5時から夜中までクレーム電話をかけ続けることもあり、それが『仕事』のようなものでしたね。そんな暇があったんだから働けばよかったんですよ」

 当の小野谷は、

「疲れていたので甘い物が食べたかった」

 と供述。

「彼女が疲労を抱えていたとしたら、それは寸暇を惜しんで行っていた『クレーム電話作業』によるものとしか考えられません……」(前出記者)

 働く意志がなく、何事をも為すつもりのない小野谷にとって、残りの人生は余りに長いものとなりそうだ。