「佐藤ゆかり」代議士が貰った100万円札束をバッグにしまった!

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 初当選から丸10年。自民党の佐藤ゆかり代議士(54)もいっぱしの国会議員になったと言うべきか。昨年暮れの総選挙では、選挙区を大阪に移しながら衆議院に復活。ところがその直後、支援者から100万円の札束を貰い、トートバッグに仕舞い込んでいた。

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佐藤代議士

 その現ナマの授受に同席した人物は、驚くべき証言を口にする。

「去年の12月27日やった。以前から選挙区内に、佐藤さんに献金をしても良いと言っていた建設会社の社長がいたんで、彼女を連れて自宅に行った。社長さんは当選祝いという名目で、100万円を用意してくれるということやったな」

 と言うのは、自民党大阪府連枚方市支部長の出来成元(できしげちか)前府議(66)だ。

「社長さんとリビングで出されたお茶を飲みながら世間話をしているうちに、奥さんが当選祝いと書かれた分厚い熨斗袋をお盆に乗せて持って来た。佐藤さんが少し不安そうな顔をしたんで、私は安心させようと“代議士、受け取って下さい”と言うた。すると彼女は、大事そうに受け取り、そのまま自分のバッグに仕舞ったんですわ」

 現金を貰ったのは佐藤氏だったが、領収書は出来氏が代表を務める自民党枚方市支部から出したという。

「私はあらかじめ、宛て名を建設会社にした領収書を用意していて、それを社長さんに渡したんや。本来なら佐藤さんが代表を務める大阪府第11選挙区支部が受け入れれば良い献金やった。ところが彼女はイメージが悪いと企業献金を嫌がった。そこで事前に“枚方支部で切っときましょか?”と聞くと、“お願いします”と頼んできたわけです」

 出来氏は、枚方市支部が受け取っていない100万円の領収書を出したことを、佐藤氏も了承していたと証言するのである。同時に今年11月に公表される枚方市支部の政治資金収支報告書に、100万円の献金があったように虚偽の記載をしたことも認めた。つまり、佐藤氏は架空の処理がなされた100万円を持ち去ったことになる。

■「迷惑をかけるから」

 ところが佐藤氏は、今年5月18日に100万円を建設会社側に返却していた。先の社長は出来氏の証言を全て事実だとした上で、

「佐藤さんに同行してきた男の秘書が、“問題が起きたら迷惑をかけるから”と返しに来た。出来が寄越した領収書を返すと言うと、“出来に渡してくれ”と言う。結局、その後は出来と会う機会がなくて領収書はまだ手元に残ったままや」

 政治家個人が企業献金を受け取ることは、政治資金規正法で禁じられている。そこで佐藤氏に100万円を受領した理由を尋ねると、

「この政治献金は大阪11区支部へのもので、迂回献金ではありません。出来枚方支部長が枚方市支部名義の領収書を建設会社社長に渡した事実もありません」

 と、弁護士を通じて回答。しかし、政治資金に詳しい神戸学院大学の上脇博之教授は指摘する。

「当選祝いの金を政党支部等で処理していない以上、100万円は佐藤さん個人に渡されたと考えるのが普通です。加えてすでに返却したと主張しても、約半年も過ぎていることから正当な理由がある返金とは認められません。むしろ、この時点では佐藤氏が半年前に受け取った献金と何ら関係なく、100万円を選挙区内の企業に寄付したと見なされて、公職選挙法に抵触する恐れが出てきます」

 追い込まれた佐藤氏。今後、有権者にどんな言い訳をするのだろうか。

【特集】「ごくごく個人的自衛権の問題」より

週刊新潮 2015年9月24日菊咲月増大号掲載

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