山本夏彦『夏彦の写真コラム』傑作選 「国語の時間は減るばかり」(1994年4月)

社会週刊新潮 2015年8月6日通巻3000号記念特大号掲載

 すでに鬼籍に入ってしまったが、達人の「精神」は今も週刊新潮の中に脈々と息づいている。山本夏彦氏の『夏彦の写真コラム』。幾星霜を経てなお色あせない厳選「傑作コラム集」。

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 ♪ぶらりとしてはいれどもひょうたんは、ひょうげて丸く世間をわたる、身は店借(たながり)の気散(きさん)じは月雪花の酒(ささ)気げん(略)という唄がある。昭和二十三年一代のコラムニスト高田保(たもつ)の「ブラリひょうたん」は、題をこの唄に借りたと私は書いて、いや待てとためしにわが女子社員に音読させたところ、月雪花(つきゆきはな)を「げっせっか」と読んだ。

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