あの「多摩信金」で「プレミアム商品券」チョロマカシ事件

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“魚は頭から腐る”の例えがあるように、トップが悪ければ組織全体が腐敗する。それは菅直人元総理の実母に“情実融資”を行った多摩信用金庫がいい例である。

 7月28日、多摩信金の職員が八王子市発行のプレミアム付商品券をチョロマカしたことが発覚した。この商品券は、アベノミクスの一環で地域活性化を目的に全国の自治体が発行して、購入を求める市民が列をなしている。取材した全国紙の社会部記者によれば、

「八王子市の場合、1セット5000円で6000円分の買い物ができ、1世帯5セットまで購入可能。市は商工会議所から金融機関に販売を委託していたのですが、委託先の多摩信金の7店舗で職員56人が151万円分を事前に購入したため、市民が買えませんでした」

 商品券の財源は、国の交付金。つまり、多摩信金の職員は公金をチョロマカしたとも言える。八王子市の中村敬副市長も“ゆゆしき事態で遺憾だ”と怒りを隠さなかった。業務委託料などを市へ返納する多摩信金に話を聞くと、

「不正にかかわった職員は厳正に処分し、経営責任も必ず明確に致します」

 多摩信金は金融庁から再三、“コンプライアンスに問題あり”と指摘されている。が、佐藤浩二会長は事件発覚後に開かれた理事会でこう嘯いたという。

「今回の件は問題は問題だが、俺は金融庁にも、関東財務局にも好かれているから大丈夫だ」

 この会長にして、この職員あり。

週刊新潮 2015年8月13・20日夏季特大号掲載

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