反安倍を歌うアイドルグループ「制服向上委員会」の黒幕は誰だ?

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 ♪大きな態度の安倍総理おじいさんと同じ~と可愛い声で歌うのは10代のアイドルグループ『制服向上委員会』(SKi)である。「反安倍」「反原発」をテーマにした過激な曲で物議をかもしている彼女たちだが、本気でそう思っているかはさておいて、後ろで操る「黒幕」を直撃した。

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「誰にでも表現の自由はあるし政権批判もあってしかるべきです。しかし、安倍総理を悪魔呼ばわりするのは限度を超えている」

 そう呆れるのは神奈川県大和市の市議会議員だ。

 6月13日、「憲法九条やまとの会」が主催したイベントの後援を、大和市が事後に取り消すという事態が起きた。問題になったのは、この場で「制服向上委員会」が披露した曲が、市の定めた後援イベントの禁止行為に抵触するとされたからだ。たしかに、彼女たちが歌う曲は、冒頭に紹介した「おじいさんと同じ」のほか、「Ohズサンナ」、「ダッ!ダッ!脱・原発の歌」など過激な内容が多い。また、リーダーが福島瑞穂氏と対談したり『赤旗』には常連のように登場する。

「制服向上委員会」が結成されたのは1992年。メンバーが入れ替わりながら今日に至るのだが、現存するアイドルグループでも最古の集団と言っていい。

 アイドル評論家の堀越日出夫氏が言う。

「アイドルと直接会える『AKB48』の雛形ともいえる存在で、デビュー当時もライブでは数千人を集めていました。しかし、この世界は競争が激しく、政治的なメッセージを発するやり方に変えたのは、差別化を図るためでしょう」

 その路線を敷いたのが、彼女たちの所属する『アイドルジャパンレコード』の高橋廣行社長だ。

■TBSとトラブル

「これまで『制服向上委員会』がリリースしてきた曲の7割は私が作ったもの。安倍総理のことを扱った曲もそうです」

 と高橋氏。その昔、ミュージシャンとして活躍し、後に「制服向上委員会」を手掛けた高橋氏だが、彼女たちをテレビに出さない“地下アイドル”に変えたのは、あるトラブルがきっかけだった。

「デビュー当時は大手のレーベルがついてテレビにも出ていたんです。しかし、94年頃、TBSのラジオ番組でメンバーの自宅を紹介し“私のヘアーを見て”と言わせる騒動が起きた。部屋とヘアー(陰毛)をかけたんですね。それが嫌でケンカになり、こっちから芸能界と一線を画そうと決意したわけです」

 95年、高橋氏はグループを引き連れて新たに事務所を立ち上げ、社会問題をテーマにするようになる。

「麻薬撲滅キャンペーンは20年ほど前からやってるし、98年にストーカー追放をテーマにした活動をやっていたら福島瑞穂さんが連絡してきて、それ以来のお付き合いです」

 社会派路線がエスカレートするのは「3・11」以降、反原発のイベントに呼ばれるようになってからだが、「左派アイドル」と呼ばれていることについて、

「私たちは社会の出来事を見て自分の主張を発信しているだけ。どこかの(政治)団体に迎合しようとも思っていません」

 と高橋氏、やり過ぎと批判されても「柳に風」なのである。

「ワイド特集 天地の狭間のドタバタ劇」より

週刊新潮 2015年7月16日号掲載

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