イチロー超えもある「秋山翔吾」安打製造の技

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「西武の秋山」といえば、80~90年代のライオンズ黄金期に活躍した秋山幸二・前ソフトバンク監督を思い浮かべる方も多いだろう。

 だが、これからはこちらの秋山をしかと覚えていただきたい。

 秋山翔吾。プロ5年目、27歳の外野手である。

 この秋山が今季、“イチロー超え”するのではないかと期待されているのだ。

 とにかく打ちに打ちまくっている。5、6月は、イチロー以来史上2人目の「2カ月連続40安打」を達成。6月29日現在、打率は3割8分2厘と、前人未到の“4割”に迫っているのだが、より現実的なのが年間最多安打記録更新だ。

 2010年、阪神のマートンが記録した214本がプロ野球記録で、これはこれで凄い記録だが、実は、130試合制だった1994年にイチローが210安打を放っている。現在の143試合に換算すると231本。改めてイチローの偉大さを思い知らされるわけだが、今の秋山は74試合を消化した段階で123安打。なんと、イチローを凌ぐ年間238本ペースで安打を製造しているのだ。

「イチロー超え? 彼なら行くだろう。体の軸が左右にぶれないのがいいね」

 と太鼓判を押すのは、“喝!”を連発する辛口評で知られる張本勲氏だ。

 実は、昨季の秋山は打率2割5分9厘で、一時は2軍落ちする体たらくだった。そこでオフに、バットを立てて振り下ろすスタイルから、バットを寝かせてより水平に運ぶ打撃フォームに改造したという。いうなれば“袈裟切り”ならぬ“横薙ぎ”である。

「人それぞれ体格や運動能力が違うように、それぞれに合った打撃フォームがある。秋山はそれを見出したということでしょう。でも、プロ5年目で見つけるというのは早いね。たいしたもんだ」(同)

 シーズン終了後、ハリさんの“あっぱれ”は出るか。

週刊新潮 2015年7月9日号 掲載

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