「森元総理」のご威光で大臣になった「遠藤利明」五輪相の利権一覧

政治週刊新潮 2015年7月9日号掲載

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 正直なところ、「エンドウって誰?」というのが多くの国民の偽らざる声だろう。永田町関係者も“温厚だけど印象が薄く、気の利いたコメントが言えない”と口を揃える遠藤利明五輪担当相(65)。しかし、この極めて地味な新大臣は、親分である森喜朗元総理の威を借りて、巨大な利権を手中に収めつつあるのだ。

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 大臣就任が決まった6月25日、衆院第一議員会館7階の廊下は“白”一色に染まっていたという。

 政治部記者が振り返る。

「原因は“エントシさん”の事務所前にズラッと並んだ胡蝶蘭の鉢植えでした。地元・山形県の企業や団体からのお祝いが中心で、ざっと数えただけでも20鉢を超えていた。議員会館でこれほど多くの胡蝶蘭を見たのは初めてです」

 山形1区選出で、安倍総理と同じ当選7回のベテランながら今回が初入閣。とはいえ、新設された五輪相への就任は半年以上前から“当確”と目されてきた。

「スポーツ議連で幹事長を務めたことに加え、決定打となったのは昨年末の総選挙でした。エントシさんは県連会長として加藤鮎子代議士を筆頭に県内の全選挙区で勝利を収めた。全国的な知名度では見劣りしても地元での影響力は絶大です」(同)

 代表を務める政党支部の政治資金収支報告書には、県内の主だった建設業者などが寄附者として名を連ね、一昨年の収入は、実に1億4127万円。全国会議員中17位と派閥の領袖クラスの集金力を誇る。

■“ミニ森”

 そんな遠藤氏を1年生議員の頃から可愛がり、入閣を後押ししたのが、森元総理だった。政治ジャーナリストの山村明義氏によれば、

「日本ラグビー協会の会長だった森さんは、中央大学時代にラグビークラブに所属していた遠藤さんとすぐに打ち解けます。遠藤さんは加藤紘一さんに面倒を見てもらったため、森派ではなく宏池会に入りますが、スポーツ議連や五輪組織委を通じて森さんと昵懇に。そのせいで、“二重派閥”と揶揄されたこともある」

 スポーツ好きで調整型という共通点から“ミニ森”とも呼ばれる彼に、ようやく巡ってきた花形ポストは何をもたらすのか。スポーツジャーナリストの谷口源太郎氏が指摘する。

「今年度のスポーツ関連予算は、昨年度より34億円も多い290億円で過去最高に達しました。文科省は、ロンドン五輪で7個だった金メダルを、東京五輪では“30個”に増やすことを目標にしています。今後、予算が増額されるのは間違いなく、スポーツ利権は膨らむ一方なのです」

 これまでJOCが牛耳ってきた強化費の分配も、一部は遠藤氏の肝煎りで創設されるスポーツ庁に召し上げられる。さらに、新国立競技場の整備費を確保するため、“プロ野球toto”も現実味を帯びてきた。

「サッカーくじの年間売り上げは1000億円を超えますが、プロ野球が加われば2000億~2500億円を見込める。これも新たな利権を生みます」(同)

 先の記者が続ける。

「五輪相には、外国選手団の合宿所を巡って、全国の自治体が誘致攻勢を仕掛けるでしょう。また、野球などの追加種目の会場が東日本大震災の被災地に決まれば、ゼネコンからの陳情は引きも切らない」

“五輪族”のドンとなる日がやってくる。

「ワイド特集 雨降って地固まらず」より