【元少年A手記出版】18年前と何も変わらない遺族と社会への挑戦――適菜 収(哲学者)

社会週刊新潮 2015年7月2日号掲載

「我々の世代が抱え込まなければいけない現代社会の闇である」

 オウム事件の時も、こういった類(たぐい)の解説をして事件に意味を付与し、評論したがる訳知り顔の人がいました。重大事件が起きる度に、そういう人たちが現れる。

『絶歌』に関しても、この本に意味を見出そうとする人々が存在しています。しかし、これは倒錯者の自慰行為に付き合うだけの無価値な言動です。

 以前から酒鬼薔薇を崇拝する犯罪者が多く存在していたことから分かるように、彼が手記を出せば模倣犯が出るリスクは当然高まるわけで、どう考えても少年Aの本は社会に対してプラスではなく、マイナスに働きます。

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