名古屋城「400億円“木造復元”」に“とろくせゃあ”

社会週刊新潮 2015年7月2日号 掲載

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 名古屋城は、天下の名城である。その天守閣の屋根にある金の鯱は、名古屋のシンボルでもある。

 徳川家康の命によって築城され、1612年に完成した天守閣は、幕末維新の激動の時代も生き残ったが、1945年の戦災で焼失。

「戦後、名古屋の象徴の復活を望む声が高まり、59年に再建しました。地下1階地上7階建ての鉄筋コンクリート造で、エレベーターも設置されている、というものです」(地元紙記者)

 それから56年――天守閣は大規模な耐震補強や改修工事の必要に迫られてきたのだが、これに一石を投じたのが河村たかし・名古屋市長である。

「2009年の就任直後から、河村市長は“木造復元”を唱えてきました。“市民の精神的支柱になるもの”“1000年先も自慢できるものを残す”というのが理由ですが、それ以上に観光資源として1000億円以上の経済効果があるとソロバンをはじいてもいるのです」(同)

 以降、名古屋市は5年かけて調査を続け、6月17日、市議会の経済水道委員会に経過を報告したのだ。

「要するに、木造復元ありきの報告です。節なしの国産檜で復元した場合、400億円の建築費がかかると試算されています」(同)

 しかも河村市長はこのところ、〈2020年東京五輪までに完成させたい〉と言い出す始末。これには市議会も党派を超えて呆れ顔だ。

「イベントに問に合わせようなんて、市長は“文化財の復元”とハコ物行政を混同しており、論外です」

 と言うのは、岡田幸子市議会議員(共産党)だ。

「歴史的、文化的意義からして、木造復元そのものを否定はしません。が、“少子高齢化による税収減が予想されるから、今、おカネを使って復元する”という市の言い分は、“他にやるべきことがある”と、市民の理解を得られないですよ。耐震改修で安全を確保したうえで、将来の市民が考えるべきことだと思います」

 河村サン、あまりこだわると、市民から“とろくせゃあ”の声があがりますゾ。