ニャンニャン写真は今もトラウマ「高部知子」がカウンセラー

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 ♪めだかの兄妹が川の中、大きくなったらなんになる。そう歌った高部知子も47歳。かつては、奔放なプライベートが報じられた彼女も、現在は依存症のカウンセラーとして忙しい日々を送っている。だが、“大きくなった”今も、あの事件はトラウマになっているようだ。

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『だいじょうぶ! 依存症』(現代書館)。こんなタイトルの本が6月下旬に出版される。著者は高部知子だ。1982年、人気テレビ番組『欽ちゃんのどこまでやるの!?』で結成された3人グループ「わらべ」の“のぞみ”役で人気を博した彼女は、ドラマ『積木くずし』でも迫真の演技を見せ、女優としての評価も高かった。

 だが、交際していた男性との“ニャンニャン写真”が流出すると、一転してマイナスのイメージで見られてしまう時代が続く。99年にはヌード写真集を出して話題になったこともあったが、これ以降、芸能界から遠ざかるようになる。私生活でも2度の離婚を経験し、2人の娘をもうけた彼女が、次に目指したのは全く別の世界だった。

「その後、高部さんは慶応大学の通信教育課程で学びながら、精神保健福祉士の資格を取得するのです。また、井上ひさしさんの前妻の西舘好子さん(日本子守唄協会理事長)の影響もあって子守唄や童謡に興味を持つようにもなりました。子守唄は忘れられているものも多く、その資料を探すなかで、神田の古書店めぐりを趣味とするようにもなったのです」(芸能レポーター)

 人の心の中や古いものに興味を持つようになったのは、芸能界の事情で翻弄され続けた少女時代とは対極の世界がそこにあったからかも知れない。

■「お話はできません」

 現在は関西を中心に、カウンセリングや講演をこなしている高部だが、冒頭の書籍は依存症のカウンセラーとしては“デビュー作”となる。

 担当の編集者によると、

「本の最大のテーマは、依存症は意志の強弱ではなく、精神疾患だということ。それを、具体的なケースを紹介しながら丁寧に解説したものです。彼女が精神保健福祉士を目指すようになったのは、ご自身の離婚や、お子さんの病気がきっかけだと聞きました。これまで、たくさん辛い経験をされたことで、精神的な問題を抱える人を支える仕事がしたいと思うようになったそうです」

 もっとも、著書に記された彼女の略歴には「わらべ」にいたことや『積木くずし』に出演したことは書かれていても、世間を騒がせたことには触れられていない。

 そこで、本人に聞くと、

「著作に書いてある略歴以上のことを聞くのであれば一切お話はできません。私が芸能活動をしていたのは、もうずいぶん昔で、今は全く別の仕事をしているんです。患者さんも私が芸能活動をしていたことなんて知らない人がほとんど。患者さんとの信用にも関わる問題だからお話しできません」

 と取り付く島がない。それでも、芸能界を退いたとはいえ、彼女はテレビの世界と縁を切ったわけではない。ケーブルテレビでは企画番組を持ち、昨年出演したBS11でも“事件”のことに触れていた。高部に代わって先の編集者が言うのだ。

「専門家として初の著書を出すというタイミングですから、過去の報道にはよけいに敏感になっておられるのかも知れません」

 過去を自分の都合で消すことはできない。ただ、笑い飛ばせるだけである。

「ワイド特集 人生劇場『土砂降りの日』」より

週刊新潮 2015年6月25日風待月増大号 掲載

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