マスター小林薫が香港で稼ぐ「深夜食堂」

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 メニューは豚汁定食のみ。

「あとは勝手に注文してくれりゃあ出来るもんなら作るよってのが、俺の営業方針さ。営業時間は夜12時から朝7時頃まで。人は“深夜食堂”って言ってるよ」

 と、小林薫(63)演じるマスターの語りで始まる『深夜食堂』。同名マンガが描いた、“猫まんま”や“里芋とイカの煮物”、“きんぴらごぼう”といった素朴な注文料理とそれにまつわる客の人情話は、2009年に深夜ドラマとなり、11年に第2シリーズ、昨年第3シリーズが放送され、今年1月には映画となった。それがいま、なぜかアジアで大ヒットという。

「まずは4月30日に公開された台湾で、今年公開された日本映画では、『名探偵コナン』も抑えてNo.1のヒットに。そして香港では5月28日にわずか17スクリーンでの公開となりましたが、初週の興収で145万香港ドルを記録し、全作中2位に。今月18日に韓国では80館規模での公開が予定され、キャンペーンで渡韓する小林薫さんには50媒体の取材が予定されています。また13日から始まる上海国際映画祭ではパノラマ部門での上映も決定しています」(配給の東映)

 アジア各国では事前に、YouTubeで勝手に字幕が付けられたドラマ版が配信されており、それが評判を呼んでいたのが原因ではないかと分析している。

 深夜ドラマは日本でも当初から評判は良かったが、映画はそれほどのヒットではなかったはずだが……。

「日本では20万人を動員し、興収は2億5000万円。ただし、80館からのスタートで、大きな声では言えませんが、製作費は1億円もかかっていないのです。それもドラマの第3シリーズ込みの製作費なんですから、大ヒットといっていいでしょう」(関係者)

 しかも、7月には映画版のDVD(未公開映像付き)も発売される。『深夜食堂』には豚汁定食のみどころか、ドジョウが何匹かいそうなのだ。

週刊新潮 2015年6月18日号掲載

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