「プレミアム旅行券」をヤフオクに流す「悪いヤツ」

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 うっとうしい梅雨をうっちゃって、早々に夏の計画を立てるムキもあろう。だが、そんな人々の出鼻を挫く騒動が起きた。

 ネット上のオークションでは、「ふるさと旅行券」といった名のつく金券が大量出品されているのだ。

「よく目にするのは、6月1日から岡山県が1枚5000円で売り出した『晴れらんまん おかやまの旅』。額面は1万円で、県内の指定された宿泊施設で使うと実質半額になりますが、ネット上では販売価格以上の高値で取引されているんです」(大手旅行会社関係者)

 背景には、今回用意した総額12億2000万円分の旅行券が、販売開始から僅か26時間後に完売してしまったという事情がある。

 岡山以外にも、6月上旬までに18道県で販売されているが、全国のコンビニで誰でも購入できるとあって大半が即日完売なのだ。

「購入枚数が無制限のため、大量に買い占める悪いヤツらが続出しています」(同)

 そもそも、この旅行券は、我々の“血税”が原資だ。

「国は地方の緊急経済支援の一環として、今年度総額約4200億円のうち、約2500億円を自治体に投入して旅行券の発行を促したのです」(社会部記者)

 6月1日に販売を始めた福島県庁の担当者が言う。

「旅行券には“転売不可”を明記しましたので、オークション出品者には出品を取り下げるようメールを出してお願いしています」

 福島も額面1万円の旅行券を5000円で販売したが即完売。ネットでは4万円で購入された券が6万円で転売され、泡(あぶく)銭を稼ぐ輩が後を絶たない。

 政府は各自治体に対応策を練るようお触れを出したため、栃木県はハガキやネットによる申し込みを15日から受付、抽選方式で買い占め防止を図るという。

“地方創生”に巣くう小判ザメは退治できるか――。

週刊新潮 2015年6月18日号掲載

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