まさかの乳酸菌ゼロ! 荒れ果てた「週刊新潮」記者4名の「腸内フローラ」をどうする?

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■栄養士も絶句の数値

 最後にもう一人、20代男性記者のケースを紹介しよう。グラフでご覧の通り、何と乳酸菌ゼロ! これには細井副院長も、

「この結果を見たうちの管理栄養士は、“うっ”と絶句していました」

 と、呆れるばかり。

「当院での統計をみると、20代男性の善玉菌は平均約10%ですから、これ以上悪くなりようがないレベルです。このままいけば生活習慣病を引き起こすリスクがきわめて高く、また先々、遅延性アレルギーを発症する危険もあります。腸内環境が乱れて不完全消化物の吸収が進み、それを体が異物と認識することで発症するケースがあるのです」

 ちなみにこの記者は、先ごろノロウイルスに感染。数日間、床に伏せっていたのだが、

「免疫力の低下がもたらした可能性もあります。それでも今は若さでカバーできるでしょうが、年齢を重ねるにつれ、体調不良に悩まされるリスクは拭えません。食生活の乱れが最大の要因ですが、そもそも育てる乳酸菌やビフィズス菌が腸内にいないため、プロバイオティクス食品の摂取が欠かせません」

 その上で、あらためて生活リズムも指摘され、

「明け方に寝て昼近くに起きる生活は、人間が本来有する体内リズムに適していません。体内時計が狂うと腸の運動を司る自律神経にも影響し、便秘にも繋がります。そうしたサイクルの仕事に携わっている人は、ともかく深夜でも、決まった時間に3食を摂るようにしましょう。無理にでもリズムを作り、体に刻ませるのが大事です。食べる量が減ると、栄養とともに菌の絶対量が減りかねないので、言われるように一日1~2食、時にはカップ麺のみというパターンは、なおさらいただけませんね」

 以上が、4名の偽らざる「カルテと処方箋」。読者諸賢には他山の石とされ、かつ生活改善の糸口を拾い上げて頂ければ幸甚である。

 前述の通り、離乳後にそのラインアップが決まる自身の腸内フローラとは、終生付き合っていかねばならない。風邪をひいて抗生物質を服用しても、殺菌作用で一時的に環境が乱れるとはいえ、ベースは変わらず。また、例えば大腸の内視鏡検査においても、

「2リットルほどの腸管洗浄液を飲み、腸内を空にします。腸内細菌は洗い落とされ、いったん殆どゼロになるものの、3~4時間後には元の状態に戻るといわれています」

 とは、4万件以上を手掛けてきた「松生クリニック」の松生恒夫院長。花畑が綺麗にリセットされるわけもなく、であれば、よりよい栽培を心がけるしかない。

 そこで、縷々ご紹介してきた“歩く不摂生”たちの診断結果に、「栄養のプロ」からもセカンドオピニオンを頂くことにしよう。

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