「キムタク」VS「堺雅人」 勝敗を分けたのはサービス精神か

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 この数年、人気俳優を起用しただけでは、視聴率の取れるドラマを作るのは難しいと言われる。その中でも木村拓哉と堺雅人は、確実に数字が取れる男。そのため、今期はキムタク主演の『アイムホーム』(テレ朝木曜21時)と堺主演の『Dr.倫太郎』(日テレ水曜22時)、新旧“視聴率男”の対決が最も注目されている。しかも、それぞれ、テレ朝、日テレの連ドラ初主演だが、

「今回キムタクが演じるのは、バツイチの中年男性。実際、彼は身長も高くないし、よく見れば顔に皺も目立つ。これまでのカーレーサーや検事といったヒーロー役ではない、年相応の役を演じていることが、かえって新鮮でした」

 とは、週刊新潮『TVふうーん録』でお馴染の吉田潮さん。

「放送開始直前、ヒロインの上戸彩の妊娠が公表されたこともあり、話題性は十分。ただ、おっさん役を演じる彼の挑戦は評価できるとしても、肝心の演技は、相変わらずのキムタク節です。そもそも事故の影響で記憶障害が出ているのに、障害に悩み苦しんでいる人の焦燥感や悲壮感が出ていない。キムタクの演技力の限界かもしれません」

 初回視聴率は16・7%と、今期の連ドラの中では1位を記録したが、今後は下降線を辿るとみる。一方、『Dr.倫太郎』の初回視聴率は13・9%、キムタクとの勝負に負けたわけだが、

「内容もいいし、堺の演技も見どころがあります。なのに、13・9%しか取れなかったのは意外です」

 と吉田さん。

「視聴者が本当に求めているのは、やはり『半沢直樹』の続編なのかも。倫太郎は患者の心に寄り添う癒し系キャラの医者ですが、半沢の“倍返しだ”というような決め台詞がない。視聴者が爽快感を感じる名言が欲しいですね」

 さらに、日テレ幹部は、堺についてこう言う。

「堺は、少し神経質なところがあるようです。彼が気にするのはスケジュール通りに収録が運ぶかどうか。夏頃からは大河ドラマの収録が始まるし、今回はタイトな日程での収録に違いない。また、直しのために脚本がなかなか渡されないことがあったりして、彼は苛立ちを隠し切れない様子だそうです。その日の撮影が終われば、すぐに自宅に帰り、共演者やスタッフとのコミュニケーションを取ろうとしません」

 放送前の“番宣”に関しても、

「収録中は役作りに集中したいとの理由で、あまり協力してもらえませんでした。キムタクは、『アイムホーム』の宣伝のため、4月に入ってテレ朝の番組に20回程出演している。それに比べ堺は、半分以下です。本人の番宣が少なくて、視聴率も負けたとの声が出ています」(同)

「特集 数字が出そろった『春ドラマ』悲鳴と歓声の楽屋裏」より

週刊新潮 2015年4月30日号掲載

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