3000円で生写真3枚! 区議選出馬「筆談ホステス」の集金法

政治週刊新潮 2015年4月16日号掲載

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 現時点では、いかなる政見をお持ちなのか皆目見当もつかないが、それでも再び巷を賑わせるのだろう。あの「筆談ホステス」こと斉藤里恵さん(31)が、4月26日投開票の東京都北区議選に立候補する。その集金法たるや、実に彼女らしい。

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 斉藤さんは「日本を元気にする会」の公認で出馬予定。2月25日には、スケッチブックに“あいさつ”を綴って会見に臨んだ。

 が、意気込みの前には高いハードルが。全国紙の区政担当記者が言う。

「一対一の筆談なら問題ありませんが、地方議員選ではビラの頒布が禁じられており、街頭で複数人に向けて筆談を行うと、公選法に抵触する恐れがあります」

 そもそも斉藤さんの代わりにマイクを握るのは、もっぱらスタッフという選挙戦。そんな異例ずくめの中、ひときわ目につくのは資金の“捻出法”である。

「彼女は、“2020年の東京パラリンピックまでに心のバリアフリーを実現する”と標榜し、ネット上でプロジェクト実施のための資金提供を呼びかける『クラウドファンディング』を行っているのです」(同)

 目標額は150万円、募金期限は投開票日の前日24時に設定されている。といっても、一方通行で終わるわけではなく、斉藤さんからの「リターン」が受け取れるというのだ。

「たとえば3000円を払うと、彼女のサイン入り生写真が3枚貰えます。1万円だと著書やTシャツもついてくる。3万円では、投票日に区内で催される限定15名の政治資金パーティー『一緒にお知らせを待ちながらの夕食会』に参加できるという触れ込みです」(同)

 さらに15万円を提供した人には、斉藤さん自身が和服姿で駆け付け、接待役に徹してくれるという寸法。こちらは限定5組で、別途交通費がかかるのだとか。

■当選ラインも上昇

 まさに昔取った杵柄。こうした仕掛けも奏功してか、すでに目標額の半分をクリア。斉藤事務所は、

「選挙運動でなく、広報紙の配布など政治活動に充てさせていただく予定です」

 というのだが、政治資金に詳しい神戸学院大学法科大学院の上脇博之教授は、

「このクラウドファンディングは、政治活動のために集めているケースであっても、集める主体が個人なのか政治団体なのか判然とせず、どこにお金が入って何に使われるのか、往々にして分からない仕組みになっているので、私は以前から警鐘を鳴らしてきました」

 原則として政治資金はすべて政治団体が取り扱う決まりだが、選挙期間中のみ個人で集めることが可能で、

「選挙に立候補するために集めたのなら公選法に基づき選挙運動費用の収支報告書に記載しなければならないし、政治活動のために集めたのなら政治資金規正法に基づき政治団体が収支報告書に記載しなければなりません」(同)

 ともあれ、まずは当選が先決だ。さる現職のベテラン区議が言う。

「北区の有権者数は約27万人。前回は投票率が50%を割りましたが、今回騒がれて55~56%くらいまで上がると、浮動票の流れは全く読めません。定数は前回から4減って40。当選ラインも1800票程度だったところ、今回は2100票は取らないと厳しそうです」

 素人の参入で、かえって緊張が高まるというのだ。

「ワイド特集 人間の証明」より