「舛添要一」都知事が5回の海外出張に2億4000万円を計上した

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 人は誰しも異国に憧れを抱くもの。権力者ならば尚更である。東京都の舛添要一知事(66)の場合、昨年2月の就任以来、6回の海外出張で5カ国を訪問し、その費用は1億5600万円に達した。1回あたり2500万円以上の計算になる。さらに今年度は、予算に1回の出張が5000万円に相当する2億4000万円の出張費を計上しているという。

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 この1年、「都市外交」を掲げて精力的に海外を飛び回ってきた、舛添知事の渡航先とその費用は次の通り。

〈2月 ロシア・ソチ/4日間/約3150万円〉

〈4月 中国・北京/3日間/約1100万円〉

〈7月 韓国・ソウル/3日間/約1000万円〉

〈9月 ロシア・トムスク/6日間/約2400万円〉

〈9月 韓国・仁川/3日間/約1030万円〉

 巷で人気の格安ツアーとは対照的な“VIP価格”。中でも突出しているのが昨年秋のロンドン・ベルリン行きである。10月27日から11月2日までの7日間で、総額は実に7000万円。湯水の如く使われる経費に都政担当記者も呆れている。

「実は、舛添知事の頻繁で莫大な経費を使う海外出張には、都庁職員や都議会からも“必要性が薄い”“費用をかけ過ぎ”などと批判が出ているんです。1回あたりの額が大きくなるのは、庁内で“大名旅行”と揶揄されているように多い時は20人もの職員を帯同するからです。加えて1泊15万円以上の高価な宿泊先についても、“5ツ星ホテルはやり過ぎ”といった厳しい指摘が後を絶ちません」

■外交道楽

 何だか“足元”が揺らぎ始めた感のある都知事だが、ご本人はどこ吹く風。3月27日に都議会で採決が予定される2015年度予算案に、5回分の海外出張費用として、更に約1億円を積み増した旅費を求めたのである。

 言うまでもなく、都庁の予算は都知事の財布ではない。さすがに元都職員の佐々木信夫中央大学教授(行政学)も苦言を呈する。

「単純計算で、1回当たりの費用は5000万円になりますが、どうしてそんなに高額になるのか。都は医療と福祉という喫緊の課題に加えて、5年から10年をかけて新たに整備を進めなくてはならない上下水道や高速道路などの『老いていくインフラ』への対処が必要です。東京五輪を成功させるためという大義名分は分かりますが、やっていることは目前の問題を無視して莫大な税金を費やした“外交道楽”でしかない。これ以上の好き勝手は許されません」

 とはいえ、前任の猪瀬直樹氏(68)や更にその前任の石原慎太郎氏(82)も毎年のように、1度で2000万円から3000万円を超える海外出張を繰り返してきた。

「しかし、石原さんや猪瀬さんには東京マラソンに向けた下準備や、東京五輪招致に向けた関係者への根回しなど合理的な理由がありました。だからといって全ての出張が正当化されるわけではありませんが、2人に比べて舛添知事の出張理由は大きく説得力に欠けている印象です」(先の都政記者)

 舛添知事という存在自体が悪い冗談になりつつある。

「ワイド特集 『桜前線』異状あり」より

週刊新潮 2015年4月2日号掲載

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