「100円ショップ」を大量整理する「ローソン」事情

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 コンビニ飽和の時代から整理の時代へ――いちはやく動いたのは、業界2位の口ーソンだ。グループ内の低価格店“ローソンストア100”と小型スーパー“ローソンマート”を整理するというのである。

「対象は“ストア100”1117店のうち260店と、“ローソンマート”全39店の、計約300店です。直営の“ストア100”200店は閉店し、他は業態を転換します」(ローソン)

“ストア100”のスタートは2005年。08年に子会社化した“ショップ99”を加え、生鮮食品を扱う低価格コンビニとして成長した。これに対し他社は小型スーパーを数多く出店させるが、対抗策として昨年2月に登場したのが“ローソンマート”だった。

「コンビニは従来、30~40代の男性をターゲットにして成り立っていました。が、少子高齢化の進行で、シニア世代や女性など新しい客層を開拓する必要があった。そこでコンビニ“口ーソン”でも野菜などの取り扱いを増やしてきましたが、これでは3つの業態が重なってしまう。そこで、店舗規模が小さい“ストア100”の不採算店を閉店し、それ以外は業態転換することにしたのです」(同)

 業態転換の目玉が、ドラッグストア併設コンビニだ。ツルハホールディングスと組んで、今後3年で100店舗の展開を目指す。

「高齢者を薬という面で取り込める可能性を秘めている」(流通アナリスト)

 さらに従来のコンビニはスーパーの機能を充実させ、“ストア100”は低価格商品の充実でテコ入れを図る、というローソン。

「ガリバーのセブン-イレブンを相手に、どれだけ特色を出して勝負するか」(同)

 さまざまな小売業界を巻き込んでのコンビニ“新戦略”、成功につながるか。

週刊新潮 2015年2月12日号掲載

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