人類学者が旅する乳文化の歴史/『人とミルクの1万年』

食・暮らし

「牛乳値上げ」「バターが消えた?」「緊急輸入」などの見出しが新聞に躍る。乳製品なしの食生活は今や日本人には考えられず、だからこそ品薄や値上がりには無関心ではいられない。

 しかし考えてみると、ミルクとは元来哺乳類の母親が自分の子供に与えるために作り出した栄養分に富む体液。人間だけは母乳に加え、わざわざヒツジ、ヤギ、ウシ、ラクダ、スイギュウなど他の哺乳類からも横取りし、しかも大の大人までが利用する。不自然感がどうしても残る。その不自然さは、乳糖分解酵素を失い牛乳を飲むとお腹がゴロゴロする大人の多いことにも表れる。

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