渋谷“立て籠り”活劇 「探偵サン」の華麗なる人脈

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 警視庁精鋭の特殊部隊を相手に活劇を見せてくれたのは、本来は黒子に徹するべき探偵サンだった。

 2月7日、東京・渋谷のマンションにある自室に立て籠り、公務執行妨害の疑いで逮捕された伊藤博重容疑者(47)。9日に送検されたが、取調室では暴れたり支離滅裂な言動を繰り返しているという。

「現場は1月下旬に完成したばかり。伊藤さんが実質、オーナーを務めていた探偵事務所の真横にあるんだけれど、工事の騒音がうるさいと怒鳴り散らしてた。まさか自分が住むことになっていたとは」(近所の住人)

 二十数年前から探偵業を始めた伊藤容疑者だが、父が一代で財を成した企業の御曹司という顔も持つ。

「市川海老蔵が暴力沙汰を起こした西麻布のビルも、伊藤容疑者の父親が社長を務める会社の物件。都内に多数の貸しビルを持つバルビゾングループ創業家の長男なのです」(社会部記者)

 結婚式も盛大だった。

「父親と親交のあるマチャアキこと堺正章さんが祝辞を述べていた。来賓には俳優の田中健や羽賀研二もいたね」(伊藤容疑者の友人)

 90年代にはテレビ朝日『あなたに逢いたい!』にレギュラー出演。“人捜しのプロ”として女子プロレスラー、アジャ・コングの父親を捜すため米国へ赴き、ロス事件で名を馳せた元ロス市警刑事のジミー佐古田氏と旧知の間柄であることを知らしめるなどして、探偵業を軌道に乗せた。

 昨年3月にも、野田政権で総理補佐官を務めた民主党の手塚仁雄氏らとゴルフに興じる姿をウェブにアップし、人脈の広さをアピールしていたのである。

「職業柄、普段は弱みを見せない彼でしたが、実弟である伊藤家の三男は障害があり母親がずっと面倒を見ていました。数年前にその母と父が立て続けに倒れて、長男として身内3人をまとめて介護しなければと悩んでいたね」(同)

 華麗な人脈に連なる誰もが、彼を救えはしなかった。

週刊新潮 2015年2月19日梅見月増大号掲載

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