ロシアから見た満州の姿/『ハルビン駅へ 日露中・交錯するロシア満洲の近代史』

中国

 白系ロシア人、アールヌーボー式建築、自由と繁栄、頽廃。戦前のハルビンは独特な魅力の国際都市だった。十年暮らした内村剛介は「人がなんと言おうとハルビンはわたしのものである」と書いたが、そうした強い思いはハルビンを知る多くの日本人に共通するものらしい。

 しかしもちろん国際都市というからには、各国人が混住するエキゾな魅力だけでなく、目に見えぬ国際政治の激しいせめぎ合いがあった。ロシア(革命後はソ連)、中国、日本による三つどもえの勢力圏争いである。本書は主としてロシアの資料を用いながら、十九世紀末から二十世紀前半の満蒙史を、徹底してロシアの視点で描く。

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