「遠藤」「大砂嵐」「逸ノ城」 今年期待の若手はここがアキレス腱

スポーツ週刊新潮 2015年1月15日迎春増大号掲載

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 11日から始まった大相撲初場所。白鵬全盛のなか若手台頭はあるのか。注目株は昨年活躍の3力士。逸ノ城(21)、大砂嵐(22)、そして遠藤(24)だ。彼らには越えねばならぬ壁がある。アキレス腱はどこか。

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 昨年12月24日のクリスマスイブ。埼玉県川口市の湊部屋に記者たちが集った。

「あの日は番付発表があった。逸ノ城の会見にメディアがやってきたのです」

 とは相撲担当記者。ご承知のように逸ノ城は、昨年秋場所新入幕、いきなり13勝2敗の好成績を残し、入幕翌場所で関脇に出世したモンゴル人力士である。

「会見後、帰ろうとすると、外に大量のフライドチキンを持った青年が待っていてそれを逸ノ城にプレゼントした。とにかく彼はチキンと甘いものに目がない。彼の敵は太ることです」(同)

 本人はベスト体重は185キロと公言しているが、12月25日の力士会前の体重測定では202キロ。

「食べ過ぎです。立合のスピードは遅くなるし、怪我のリスクも高くなる」

 と言うのは相撲評論家の中澤潔氏である。

「秋場所の活躍を見て、すぐに大関だと期待した。しかし、九州場所で買いかぶりだなと思った。攻める相撲をしない。相手次第で器用にかわす。これでは限界がある。手の内がバレれば勝てない。意識改革が必要ですね」

■弱点は語学力

 逸ノ城のアキレス腱は消極的相撲と過食。同じように食べ物が話題になったのは、エジプト人の大砂嵐。ラマダン中の夜には、炒飯10人前を平らげて話題になった。昨年は初場所から3場所連続で勝ち越したが、後半3場所は負け越し。

「以前は稽古の厳しさで知られる春日野部屋に出稽古に行って、碧山や栃乃若にたっぷりと稽古をつけてもらっていましたが、最近は聞きませんね」

 とは相撲ライター。

「相撲はとにかく力任せ。突っ張り、諸手突きなど、立合にも一貫性がない。一度身についた自分の相撲を解体して踏み込む相撲を確立しないと、3年後には怪我で引退ということになりかねない。しかし、親方も嘆いたようにスカイプでエジプトの友人と話してばかり。日本語も上達しない。それでは基礎の理解も覚束ないのでは」

 大砂嵐の弱点は力頼みと語学力。対照的に相撲巧者として鳴り物入りで角界入り、ザンバラ髪で入幕して、いきなり9勝したのは、遠藤である。日本人大型力士として大いに期待されたが、その後は負け越し続き。先場所は何とか勝ち越して自信を取り戻した。

「彼は相撲界のエリートだし、技術もある。だが先場所勝ち越したのは、前半負けたので、黒星同士を戦わせた結果、勝ち越しただけ。自信を持つほどではない。体は小さいし、立合のスピードを磨くべきでしょう」

 とは前出の中澤氏だが、先の相撲記者は言う。

「年末に遠藤の部屋に逸ノ城が出稽古に来ていました。遠藤は彼のことを“ホッキョクグマみたい”と笑っていましたが、三番稽古で逸ノ城に1勝8敗と負けると、“首を痛めたので力が入らない”などと言う。なぜ軽々しく怪我を明かすのでしょうか。本場所でそこを攻められてしまいます」

 弱点は立合とプロ意識の足りなさ。いずれにせよ、彼らが欠点を克服してこそ相撲は面白くなる。

「ワイド特集 めでたくもあり めでたくもなし」より