芸能文化人ガンクラブ「会長」の重責を担う 殺しのライセンス「高木ブー」!?

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 国民栄誉賞俳優の森繁久彌、映画『七人の侍』の三船敏郎、日活のスターだった三橋達也。3人が共に楽しんだのは、クレー射撃だった。英国映画『殺しのライセンス』が公開された12年後、彼らは「芸能文化人ガンクラブ」を立ち上げたのである。目下、会長の重責を担うのはドリフターズの高木ブー(81)。その腕前は如何に。

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「クレー射撃を始めたのは、いかりや長介の命令だったんだ」

 そう語るのは、高木ブー本人だ。

「長さんが“みんなで一緒にできる趣味を持とう”と言ったのがきっかけ。あの頃、彼には逆らえなかったから、やらないわけにはいかなかったのです。確か1976年だったから、クレー射撃を始めて40年近くなるね」

 時は、『8時だヨ! 全員集合』の最盛期。3カ月間の休暇をもらった際、メンバー一同で銃砲所持許可証を取得したという。

「昔は、簡単な筆記試験だけで免許を取れたんです。今は、実技もあるから大変。免許を取る前に実技があるなんて変な話だけど」

 メンバーの中で、一番の腕前は誰だったのか。

「一番上手かったのは、加藤茶。年間の公式大会で100発中90発以上当てると、日本クレー射撃協会のAクラスに認定される。これは五輪選手と同じランクで、加藤は93発の記録を出したことがあるんです。僕は、頑張っても80発くらいかなあ。長さんは負けず嫌いで、形から入るタイプ。ブローニングD-5という1000万円以上もする銃を持っていましたが、僕が最初に買ったのは20万~30万円の国産だった。長さんは僕らが上手くなると、自分が負けるのが嫌だからいつの間にか止めちゃった」

 当時の芸能界はクレー射撃が盛んで、『芸能文化人ガンクラブ』には大物俳優が参加していたという。

「我々が入会した時の会長は森繁久彌さんで、副会長は三船敏郎さん、理事長は三橋達也さんでした。他のメンバーは、梅宮辰夫さんや松方弘樹さん、ジャズドラマーのジョージ川口さんなどがいた。こんな物凄い顔ぶれのクラブは他にありません。僕も、番組でなかなか知り合えなかった芸能人と出会えて嬉しかったね」

■森繁久彌の後任

 2009年、森繁氏が死去すると、会長代行だったブーが会長に昇格した。

「梅宮さんや松方さんが会長候補でしたが、断られてしまった。クレーを撃っているだけの方が、気が楽だと思ったんじゃないかな」

 クラブのメンバーの多くがこの世を去り、銃の規制が厳しくなるに連れて、彼も2年前に銃砲所持の許可証を返上した。

「僕も目が悪くなったし、膝を壊して人工関節にしたので、試合に出るのは肉体的にきつくなった。免許も返上したから国内で銃を撃つことはできないけど、免許が無関係の海外では撃っています。僕は、環太平洋友好射撃リーグの会長も務めていて、海外に行くことが多い。2013年にはタイ、14年には韓国へ行って銃を撃ってきました」

 クレー射撃で五輪の出場経験のある麻生太郎財務相は、クラブの名誉会長。ブー会長も、14年には大臣室を訪れて趣味の話に花を咲かせたという。

「ワイド特集 羊の皮を被った狼 虎の皮を着た羊」より

週刊新潮 2015年1月1・8日新年特大号掲載

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