稀代の日記魔の栄光と孤独/『哀しすぎるぞ、ロッパ 古川緑波日記と消えた昭和』

文芸・マンガ

 小林信彦の『日本の喜劇人』は、エノケンではなくロッパから始まっていた。小学三年生のガキを喜劇狂にしてしまったインテリ芸人・古川ロッパへのオマージュからである。『日本の喜劇人』では、ロッパが膨大な日記を残したことにも触れていた。その後、晶文社から全四巻の分厚い日記が出現した。四千頁近い量に圧倒され、もちろん敬遠した。本書『哀しすぎるぞ、ロッパ』によると、日記原本はそれどころではなく、四百字詰め原稿用紙換算で優に三万枚を超えるという。日記は二十六年分あるから、年平均千二百枚。

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